『キノの旅-the Beautiful World-』(時雨沢恵一)から学ぶ、様々な価値観 ― 『大人の読書感想文』

あなたは海外に行ったことはありますか?

そこには日本とは違うそれぞれの国の価値観が存在します。

価値観はその環境によって違うものです。

海外の話をしましたが、あらゆるところに価値観の違いは存在します。

会社、学校、地域・・・、更には部署、クラス、家庭。

あらゆるところにそれぞれ違った価値観が存在します。

今回の『大人の読書感想文』はライトノベルの『キノの旅-the Beautiful World-』(時雨沢恵一)を取り上げます。

アニメにもなった人気作品です。

主人公が様々な国(とっても変わった)を旅していく、という物語です。

キノの旅 the Beautiful World (電撃文庫 し 8-1)


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『キノの旅-the Beautiful World-』(時雨沢恵一)から学ぶ、様々な価値観

■本の紹介

私が紹介するのは、大人気ライトノベルの『キノの旅-the Beautiful World-』(時雨沢恵一)です。

2000年の3月から現在も刊行されており、二度アニメ化がなされています。
主な登場人物は、主人公のキノと、モトラド(バイクのようなもの)のエルメスです。

エルメスはもちろん生き物ではないのですが喋ることができ、二人は旅をしながら様々な国に訪れます。

国と言っても、日本やアメリカなどの実在するものではなく、現実ではあり得ないような進化、文化、思想、技術を築き上げた国々ばかりで、キノたちはその価値観に触れ、時には住民を助け、しかし必要以上に干渉することなく3日という期間で一つの国を見て回るというストーリーです。

■キノの旅と人間の個性について

前述した通り、キノの旅の中には様々な国が登場します。

例えば、国土の下にキャタピラをつけた「迷惑な国」は、それで移動を続け時に他の国の城壁や田畑を荒らしてでも国全体で旅を続けています。

「人の痛みがわかる国」では人々が他人の気持ちが分かる薬を開発し、大混乱を巻き起こした末に一人一人が離れ離れに生活をするようになっています。

「多数決の国」は民主主義である多数決を採用した結果、ひとりぼっちになってしまった男が住んでいました。

キノとエルメスはその一つ一つを丁寧に見て回るのですが、その様子が人間の多種多様な個性に触れていっているようで非常に読んでいて面白いです。

また、それぞれに日常的な教訓なども含まれております。
「迷惑な国」はその名の通り本当に迷惑です。

そんな国のために何故自分たちの土地が荒らされなければならないのかと言っていた国もあり、まさにその通りだと思います。

しかし、この国の案内人は「人と人は迷惑を掛け合いながら生きていくものです」と言います。

この言葉も限りなく真実です。
「人の痛みが分かる国」は最後にキノと薬を飲んだ男性が、言葉を語らずに、一瞬だけ、一言だけ語り合います。

本当は気持ちが分かる薬なんて使わなくても、分かり合えるものだということなのだろうと思います。

■キノから学ぶ人間関係のあり方

キノは自分の考えを持ちながらも、それぞれの国を否定することは決してしません。

自分たちに危害がない以上、国の特徴、特性をそのままでも受け入れていきます。
その様を見ていると、人間関係においても一人一人の個性や考えを否定するのではなく、認めることが大切なのだということを学ぶことができました。

そして、自分が危なくなった時には相応の反応をすることも大事だなと読んでいて思いました。

■キノの旅と自分について

「大人の国」では、子供は大人になるための手術を受けなければなりません。

ワガママな子供の部分を取り除いて、嫌なことでも自分のしたいことを押さえ込んでできるようにするのです。

そこではひとりの少女と出会ったキノはこう言いました。
「僕は君の言うところの大人でもないし、子供でもない。僕はキノさ」
肩書きも、大人も子供も関係ない。比べる必要も、争う必要もない。

自分は自分であると、この台詞を聞いて思い出すことができたと思います。
人間関係に悩んだ時、そんな余裕はないのかもしれないけど、私はこの本のことを思い出して、人を尊重する大切さを思い出して、自分を大切にするということも思い出したいと思っています。

是非、色々なことに悩んだ時、この本を手にとって様々な価値観を持った人に読んでもらいたいです。

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いかがでしたか?

『大人の読書感想文』の作者の方も感じているように(物語の中には極端に面白い国々に描かれていますが・・・)、現実世界でも価値観の違いは当然あります。

その違いがそれぞれの“常識”になります。

それぞれが認め合い、適度な距離を保つことが平和的に共存しいく第一歩ではないでしょうか?

私自身は、あの天才物理学者アルベルト・アインシュタインの言葉を常に胸に置いています。

「“常識”とは、18歳までに身に付けた偏見のコレクションのことをいう」

“18歳”とは大人のことを示していると思われます。

この言葉の先にある意味も、『キノの旅-the Beautiful World-』(時雨沢恵一)で示している考えと共通するかと思えます。

私もこの言葉を知った時から、少し人に対して寛容になれました。

そして、物の見方も変わり、新たなチャレンジもすることが出来るようになりました。

もし人間関係で悩んでいることがあれば、一度立ち止まってこれらの示すところを考えてみる価値はあると思います。

「あらゆる問題は、人間関係にある」(心理学者アルフレッド・アドラー)

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