『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』(角幡唯介) ― おすすめの本

『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』(角幡唯介)の概要
19世紀、北極へ向かったフランクリン隊。
誰一人戻ってくることはなく、129人が全員死亡した。
その中で一人、アグルーカは生き延びたと言われている。
果たして本当なのか、著者がフランクリン隊の進んだ1600キロを進んで行きながら検証していく。

アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』(角幡唯介)の好きな登場人物
著者の角幡唯介氏です。
この便利な現代で、なぜわざわざ自分に制限をかけてまで過酷な場所に赴くのか、という一般人には理解しがたい心理を読者にわかりやすく書いてくれます。
同意は出来ないがどうしてそうなのか理解できる範囲まで言語化されています。
実際に冒険に出たいとは思わないが、そういう人もいるのかと納得できます。
文章がしっかりしており、風景描写や心理描写が秀逸です。
旅ではなく冒険とはなんなのかもわかります。
実際の過酷さを体験していない読者が、極寒の世界の寒さや厳しさを理解出来るように丁寧に描写してくれています。

『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』(角幡唯介)の好きな場面
全編を通じて、北極圏でも暖かい日や寒い日があるという描写の美しさです。
北極圏なのにぽかぽかと春のような日という箇所は、驚きもありますし、なんだかすごく気持ち良さそうです。
ただ氷のある場所、という印象だったのですが、氷の世界にも風景や景色があるのだなと感じます。
またこの本では、おそらく最大の衝撃を与える麝香牛のくだりです。
麝香牛のくだりは、感想に賛否がありそうな箇所ではありますが、そこには自然の厳しさがあり、著者がしているのが旅ではなく冒険なのだと理解できます。

『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』(角幡唯介)から得たもの
この現代において、わざわざそんな過酷なところを旅する人は趣味としては行き過ぎているのではないか、と思っていました。
しかし、それが旅ではなく冒険でかつて世界の地図を埋めるためになにもわからないまま冒険したフランクリン隊の追体験は、やはりそこへ行かないとわからないものなのだとは思いました。
もちろん、どんな場所を歩んだか、そこがどんな過酷な場所なのか、今はネットで調べればすぐにわかりますし、なによりどんな場所なのか映像で見ることだってできます。
しかし現実のものとして体験するのが、ただ知識としてあるだけとは全く違うことだと教えてくれます。

『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』(角幡唯介)はこんな方におすすめ
冒険が好きな人、旅行記が好きな人におすすめです。
想像ではただただ氷の世界と思ってしまう北極も、風景の描写が詳細に描かれているので鮮明に眼に浮かんできます。
また寒い土地柄の風景が好きな人にもおすすめです。
著者の文章が巧みで、厳しい環境の土地の風まで感じることができます。

『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』(角幡唯介)の魅力まとめ
角幡唯介氏は冒険関係の著作が多く、特に『ツアンポー渓谷への決死の冒険記』等の各著作があります。
ノンフィクション賞も受賞しているしっかりした文章を書くノンフィクション作家と言えます。
自身体験に裏打ちされた類を見ない体験記を押し付けがましくなく、淡々とした表現で書いています。
もともと新聞記者だったこともあるのか、癖がなく誰しもが受け入れやすい書き口とわかりやすさで書かれています。
その為その驚くべき体験が、読書によって疑似体験することができると言えると思います。
必ず誰かに話したくなる一冊です。

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