『日帰りクエスト』(神坂一) ― おすすめの本

『日帰りクエスト』(神坂一)の概要

女子高校生の主人公エリは、ある日突然異世界に召喚されてしまう。

「勇者召喚か!」等と期待してみたものの、実際にはとりあえず当たり障りのない者を呼び出してみるという実験で、すぐに帰されそうになってしまう。

平凡な毎日に飽き飽きしていたエリは、恫喝を交えた説得で毎週日曜日に呼び出すよう約束を取り付けるのだった。

日帰りクエスト 全7巻完結 [マーケットプレイス コミックセット]


『日帰りクエスト』(神坂一)の好きな登場人物

主人公であるエリはバイタリティは溢れるものの、特殊能力等は一切持たないごく普通の女子高生。

日常に飽き飽きとしており、何かの特別を求めているという部分は読者に共感を与え、これからどうなるんだろうという楽しみが浮かんできます。

また、主人公を召喚した国は別の国と戦争を行っており、存亡の危機を迎えています。

これら2国間の争いと、まったく無関係のひとりの異邦人が織りなすストーリーがこの作品の最大の魅力だと思います。

『日帰りクエスト』(神坂一)の好きな場面

今でこそ定番のやり取りになってしまいますが、異世界では塩や胡椒を交易品としたりする場面は当時はなるほどと思ったものです。

また、現代の道具(とは言っても女子高生が購入できる範囲の)を駆使してピンチを切り抜ける様は、異世界人と日本人との際をうまく表現していて、ファンタジー物の作品ではなく、あくまで異世界に主人公がいるんだなという感じを強く実感させます。

特に好きなシーンは、可燃式のガススプレーと100円ライターを用いて簡易の火炎放射器を作り、危機を脱出するシーンです。

『日帰りクエスト』(神坂一)で得たもの

異世界に行ったらそれで冒険が始まるのではなく、異世界には異世界なりの生活があり、それは今生きる私達となんら変わりは無いんだと感じました。

それでも私達が異世界に憧れを持ってしまうのは、今はもう失われてしまった浪漫を求めてしまうからでしょう。

一時期は異世界に召喚されてもいいように火薬の合成方法等を無駄暗記した時期もありました(笑)

もちろんそれらが役に立つことはなかったのですが、エリのように前向きに生きていれば人生なんとかなるものだと思いあまり暗いことを考えないように日々を暮らしています。

『日帰りクエスト』(神坂一)はこんな方におすすめ

今流行りの異世界召喚、異世界転生が流行になる前の作品であり、ある意味ではそういった作品の原点にもなりうる作品です。

異世界でチートで、というタイプの作品に飽きが来ている方におすすめしたい作品です。

主人公エリは何も力を持たない女子高生であり、戦争中の2国間にただ呼ばれた異邦人であり。

その異邦人がふたつの国をどう変えて、そしてエリ自身もどう変わっていくか。

異世界召喚、異世界転生物が好きな方は原点を知る為にも一度は読んで欲しい作品です。




『日帰りクエスト』(神坂一)のまとめ

有名な作品である『スレイヤーズ』の作者である、神坂一氏が手がけた日帰りクエスト。

作者の得意とする人間が織りなすドラマ性あふれるストーリーが魅力であり、キャラひとりひとりがとても生き生きとしています。