『サンタのおばさん』(東野圭吾) ― おすすめの本

『サンタのおばさん』(東野圭吾)の概要

毎年クリスマスイブが近くなると、フィンランドではサンタクロース協会の会議が開かれることになっている。

今年の議題はアメリカ支部の配達担当者の後任を決めることで、候補者として皆の前に紹介されたのはジェシカという女性だった。

賛否両論が巻き起こっていく中で、彼女は自らがサンタに応募した理由を語り始めた。

サンタのおばさん


『サンタのおばさん』(東野圭吾)の注目の登場人物

世界初の女性サンタを目指す、アメリカ人のジェシカは魅力的なヒロインです。

シングルマザーとして一人息子のトミーを育てています。

プライベートな一面も描かれていて共感出来ます。

それ以外でも魅力的な登場人物(サンタ)が出てきます。

アロハシャツ姿にサーフボードに乗ってプレゼントを配っているオセアニア・サンタや、 クリスマス期間中は緑色のケープを着ているアフリカ・サンタなどバラエティー豊かなサンタも登場して想像するだけで楽しくなってしまいます。

12人の中に登場する、口下手な日本サンタも忘れがたいものがありました。

『サンタのおばさん』(東野圭吾)の好きな場面

物語の序盤は友好的に進行していたはずのサンタクロース会議が、次第に熱を帯びていく場面が面白くて好きな場面です。

唾を飛ばして喋る者、机を叩く者、白熱して掴み合いのケンカを始める者。

あちらこちらで激しい議論が始まって収集がつかなくなってきたその時、ジェシカが聖なる歌「アヴェ・マリア」を歌ってその場を鎮めるシーンが微笑ましく印象的です。

直後に彼女がみんなの前で打ち明ける、サンタになりたい本当の理由にはホロリとさせられることでしょう。

『サンタのおばさん』(東野圭吾)から得たもの

国家間や人種の対立や女性の社会進出など、タイムリーな話題がさり気なく盛り込まれていて考えさせられます。

お堅いヨーロッパ系のサンタに対して、アフリカ大陸やオセアニア地域などのリベラル派サンタ達とのコントラストも効果的です。

ヒロインのジェシカが新米のサンタとして小さな一歩を踏み出していく後半パートには、男性であれ女性であれ自分自身の仕事に対して誇りを持って取り組んでいく素晴らしさが伝わってきました。

『サンタのおばさん』(東野圭吾)はこんな方におすすめ

杉田比呂美の可愛らしいイラストと綺麗に施された装丁は、お子様へのクリスマスプレゼントにはピッタリです。

素朴なストーリーの中にも深いメッセージが込められているので、大人も童心に帰って読んでみてほしい作品です。

『サンタのおばさん』(東野圭吾)のまとめ

2001年の11月に文藝春秋から刊行されたジュヴェナイル文学で、今現在では書店だと手に入りづらいためにインターネット通販や古書店で気長に探してみて下さい。

本格的なミステリー作家として数多くのベストセラーを生み出してきた東野圭吾が、本作品のような子供でも大人でも楽しめる作品を書いていたことに驚かされるでしょう。

知られざる名作として埋もれてだけに、この機会に是非とも多くの人に手に取って頂きたいと思います。



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