『リリカルマーダラー』(桜井亜美) ― おすすめの本

『リリカルマーダラー』(桜井亜美)の概要

今では当たり前になったSNSでの出会い。

忘れられない人と同じ名前を持つ女性と出会った主人公と女性の物語。

どんどんと近づいていく2人が、バーチャルからどんどんリアルへ進んでいく。

今の時代でも起こり得る、リアルなやり取りが注目の作品。

出会い系サイトでのやり取りが小説として書かれており、横文字で読むという少し変わった小説としても楽しめる。

Lyrical murderer (幻冬舎文庫)


『リリカルマーダラー』(桜井亜美)の印象的な場所

ネットでは自分を隠す。

そんな人は実際にとても多いと感じます。

主人公もまた同じタイプで、取り繕った自分を演じています。

そんな主人公と、相手の女性とのメールのやり取りが見ものです。

注目の場所は2人が出会うカフェ。

ここから2人のとても緊張感のあるやり取りが感じられます。

主人公と相手の女性がどんな風にお互いを認識するのか、2人がどのような心境なのか。

すごくわかりやすく描写されているところがすごくリアルな作品です。

『リリカルマーダラー』(桜井亜美)の注目の場面

主人公がどんどん相手の女性に惹かれていく葛藤や駆け引きは見ていてドキドキします。

ネットの関係だからこそ素直になれるところや、伝わらない気持ち、目を見て話していないからこそ起こる勘違い・・・。

それがすごく伝わる場面が多々あります。

会ったこともないのに惹かれ合う・・・、というのはこの作品の時代ではまだ理解も浅く、時代感を感じられる上に、こうやって今のSNSでの出会い等があるのかと関心させられるのでメールのやり取りで見られる主人公の葛藤には注目してみてほしいところです。

『リリカルマーダラー』(桜井亜美)から得たもの

もう昔の作品になるので、当時としてはすごく衝撃的な内容です。

当時はメールでのやり取りが主で、まだスマートフォンもない時代。

もちろん既読機能の無い時代。

写メールさえもあったかどうか・・・、という時代でした。

そんな中登場したこの作品は、読んだ人にすごく大きな印象を与えたと思います。

この小説を読んで「すごく素敵な物語だ」と感じられることが出来ました。

今はSNSで出会うことなど当たり前な時代となっていますが、まだ当たり前ではなかった時代で、こんなにもドキドキさせてくれた作品はなかなかありません。

自分の中での多様性を育むことの出来た作品です。

いつの時代でも、どんな状況にあっても、様々な選択肢があることを認識させてくれます。

『リリカルマーダラー』(桜井亜美)はこんな方におすすめ

現実世界に絶望を感じている方々に読んでほしいと思います。

社会はとても冷たく、夢など見せてくれません。

そう感じてしまう時は現実逃避をしても良いんだということ。

見えているものすべてが、世界ではないということ。

電波でしか繋がらなかった、そんな関係がいつの間にか何よりも大切な存在になることもあるんだということ。

そんな素晴らしい世界も知ってほしいなと思います。

見えていない、見ていないだけで世界はたくさんの選択肢であふれていることを知ってほしいと思います。

『リリカルマーダラー』(桜井亜美)のまとめ

『リリカルマーダラー』は普通の小説とは違った”ちょっと変わった小説”です。

人のメールを盗み見しているような、ちょっとドキドキした気持ちを味あわせてくれる物語です。

ネット恋愛も当たり前となった現在ですが、顔も知らない相手と心で繋がる、相手の性格を知りもっと好きになっていく。

そんな感覚は今も昔も変わらないのではないでしょうか。

展開にドキドキさせてくれるので、読みやすく、つい綻んでしまうような素敵な小説です。