『はてしない物語』 (ミヒャエル・エンデ) ― おすすめの本

『はてしない物語』 (ミヒャエル・エンデ)の概要

本と空想の好きないじめられっこの少年バスチアンは、ある日偶然飛び込んだ古本屋さんの中で、あかがね色(えんじ色)の立派な本に出合います。

その本を手に入れ学校の物置へ閉じこもり、授業をさぼってその本を読み始めます。

その壮大なファンタジーの世界を楽しみながら、バスチアンはどんどんお話の世界ファンタ―ジェン国に引き込まれ、とうとう読者だった彼自体が冒険を始めることになります。

その冒険に必要なこととは?

単なる童話では片づけられない、「自分は人生をどう生きるのか」を問われる、大人にこそ是非読んでほしい壮大な童話です。

『はてしない物語』 (ミヒャエル・エンデ)の好きな登場人物

登場人物はみな独特で、この世に存在しない空想の生きもの達です。

やはりいちばん魅力的なキャラクターは、ファンタ―ジェン国の中央に位置するエルフェンバイン塔に住む、女王幼心の君です。

映画化された時も大変うつくしい光のような少女が演じていました。

それから、バスチアンの友人アトレーユのつれている「幸いの龍フッフール」、とても忠実で前向き、幸せなことが起こるとしか考えていない幸運の龍です。

そして、映画には登場しませんでしたが、クライマックスのあたりでバスチアンを助け、優しく包み見守る、「花のおばさまアイゥオーラ」です。

常に住む人にあわせて変形し続ける「変わる家」に住む、母親の象徴のような体中から花咲き乱れる女性です。

お話の中には愛情があふれ、人間の成長に必要な人々がたくさん登場します。

『はてしない物語』 (ミヒャエル・エンデ)の印象的な場面

このお話は、前半と後半でお話の流れががらりと変わります。

前半は、バスチアンの読んでいるお話の中の少年アトレーユが主人公なのですが、あることがきっかけでバスチアン目線になっていきます。

その彼の冒険は、だれもが人生で経験したことのある「人生の道を踏み外す」ようなできごとの象徴です。

最後に彼がどうやって本来の自分を取り戻していくのか、そこが大きな見どころです。

自分を見失って死ぬか、本来の自分に戻れるか、物語のラストの4場面ぐらいは、童話ながらに涙なくしては読むことのできない、心揺さぶられるシーンです。

是非体験してください!



『はてしない物語』 (ミヒャエル・エンデ)で得たもの

このお話は、童話とはいえ、「人生をどう生きていくのか」というような、子供には少し難しいテーマが根底にあります。

このお話の中の冒険における大きなカギは「望む」こと。

女王幼心の君のお守りには「汝の欲することをなせ」と言う言葉が刻まれています。

ひとつひとつ自分で決めて望んでいかないと開かない人生の扉、自分の怖れから、望みを間違えた方向に使ってしまう人間の弱さ、そういう人間の末路が描かれています。

そして人間は、道を踏み外して絶望しても、取り戻すことができるということに勇気をもえることでしょう。

『はてしない物語』 (ミヒャエル・エンデ)はこんな方におすすめ

現代に生きていると、とかく自分らしい想像力を失い、社会に迎合して生きている方が楽で、安全ですし生きやすくもあります。

しかしそれはいつまでも続かず、いつの日か息切れをし、疑問を感じ、時には体の具合を悪くしたりもするものです。

ファンタジー・想像・創造力を持つということが大きなテーマでもあるこのお話ですが、想像・創造力というのは童話の子供っぽい世界のことだけをさしているものではないと思います。

自分らしさを広げ生みだすことも、人間に必要な想像・創造力なのです。

現代の世の中で、自分らしく生きているなと自覚がない方にこそ読んでほしいです。

生きるって、こんなさらっとしたものじゃないんだろうなっと思うことができると思います。

『はてしない物語』 (ミヒャエル・エンデ)のまとめ

『はてしない物語』 (ミヒャエル・エンデ)は、人生のバイブルになり得る深い作品です。

生きるって、こんなに大変でやりがいのあるものなんだ、人は間違えても戻ってこられるんだ・・・

色々なことを考えさせられる一冊です。

もともと童話なので文章も読みやすく、色も赤と緑の2色刷り、本に慣れていない方も読みやすいと思います。

作者のミヒャエル・エンデ氏は、あの『モモ(と、時間どろぼう)』を書いた作家です。

『モモ』も、時間に追われて心を失う現代人へ向けたメッセージのお話でしたが、『はてしない物語』も、想像力が欠落することで、様々な問題が起き始めている世界への問題提起作のひとつと言えると思います。

是非『はてしない物語』 (ミヒャエル・エンデ)を読んで、自分は何を思うのか考えてみてほしいと思います。

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