『旅のラゴス』(筒井康隆) ― #おすすめの本

『旅のラゴス』(筒井康隆)の概要

超高度文明が滅びた後の「この世界」。

人々は未知の超能力を獲得し始めていた。

主人公のラゴスもその一人だが、彼はひとところに留まることをせず、生涯をかけて旅を続けている。

時には心掻き乱される出会いがあり、時には奇想天外な出来事に巻き込まれ、2度も奴隷になることもあった。

それでもラゴスは旅を続ける。

ラゴスの正体は?旅の目的は?少しずつ明らかになる謎。

そして、彼は「この世界」の秘密に近づいていく──。

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『旅のラゴス』(筒井康隆)の好きな登場人物

主人公のラゴスが特に魅力的です。

ラゴスは作中、妙にモテます。

旅の途中で何人も奥さんができるほど・・・

しかし気が付くと読者である私も彼のことが好きになっていました。

旅人でありながら博識で教養が深く、リーダーシップがあり、そして優しいラゴス。

しかし、ラゴスの魅力は「なぜ彼は旅人でありながら高度な文化人なのか?」という謎が明かされてから一気に増します。

ぜひ、最後まで読み終えて、ラゴスの魅力にたっぷり浸って欲しいです。

『旅のラゴス』(筒井康隆)の好きな場面

ラゴスが旅の序盤で訪れる街に、「壁抜け」ができる男が登場します。

生きたまま、壁をゆっくりとすり抜けることができる超能力です。

しかし、この男がとんでもない。

ネタバレになってしまうので詳しくはお伝えできないのですが、この壁抜け男が超能力を使ってしでかそうとしたことと、その末路はぜひご覧頂きたいです。

男の性欲ってなんて悲しいのかしら……と哀れになってしまいます。

「旅のラゴス」はかなり深い物語なのですが、この序盤のエピソードだけ飛び抜けてばかばかしくて笑えるので、好きな場面です。



『旅のラゴス』(筒井康隆)で得たもの

ラゴスがさまざまな場所を旅していく短いエピソードが重なり合い、絡み合い、最後には素晴らしく芳醇で豊かな物語が完成します。

読み終えた時、重厚なファンタジーを味わった感動で胸がいっぱいになります。

ライトノベル系のファンタジーももちろん素敵ですが、思想、哲学、人間の魅力を存分に味わうことができるこうした本格ファンタジー小説も、ぜひとも多くの方に楽しんで頂きたいです。

新しい世界が自分の中に生まれ、その世界をラゴスと一緒に旅をする喜びを得ることができました。

『旅のラゴス』(筒井康隆)はこんな方におすすめ

ファンタジーやSF好きの方にピッタリです。

特に、重厚な設定や深い世界観を楽しみたい、というファンタジー好きの方は間違いなく楽しんで頂けると思います。

短いエピソードが連なるオムニバス形式なので、時間のない方でもサクサク読み進めることができると思います。

作者はSFの名手の筒井康隆氏。

「時をかける少女」や「パプリカ」は知っている、という方も多いのではないでしょうか。

間違いない名作ですので、筒井氏の作品でこちらは読んだことがなかった、という方にもおすすめです。

『旅のラゴス』(筒井康隆)のまとめ

主人公のラゴスは作中、あらゆる困難に巻き込まれ、旅はどんどん不思議な方向へ進んで行きます。

とにかく1ページ目から最後の1行まで、ずっとワクワクしながら読むことができます。

そして、やがて明かされるラゴスの正体や「この世界」の謎を知った時、その重厚な物語に感嘆すること間違いなしです。

なぜ高度文明は失われてしまったのか?

なぜ人々は超能力を獲得したのか?

不思議な街や空想生物、ラゴスが出会う魅力的な人々。

ぜひあなたもこの素晴らしい世界を味わって下さい。