『家守綺譚』(梨木香歩)の概要
作家の主人公がひょんなことから親友の実家の家に住むことになった。
お隣の世話焼きなおかみさんがたまに出てきて食べ物を置いていくような風情ある情景の中で様々な植物と共に様々な生き物と会話し、優しく時にはしっとりとした不思議な出来事を体験していく話です。
感想(59件) |
『家守綺譚』(梨木香歩)の好きな登場人
雨が良く似合うイメージの街並みを連想させます。
主人公も魅力的ですが、私の中の一番は犬です。
何故か一緒に生活することになった犬をゴローと名付け、どこかへ行ったかと思えば主人公の助け舟的存在になったり時には案内役だったりします。
もう1人は高堂という主人公の親友です。
初めの頃は名前のみですが、読み進めていくうちにふらっと現れてきます。
主人公と束の間の会話をしてまたすぐどこかへ帰って行く人です。
親友の実家の家も中々の植物に囲まれた色んな意味で不思議な空間です。
『家守綺譚』(梨木香歩)の好きな場面
檸檬という話で主人公が恋心を抱くダァリヤの君との話が好きです。
言葉の掛け合いがとても柔らかくて透き通っている感じがして読んでいて物語の中に知らぬ間に集中してしまいます。
ダァリヤの君は言葉からして教養がある女性のイメージで、細くて白いような可憐で時に活発な感じがしますが、どこか謎があるきがしました。
想像するだけで実際にいたらどんな人なのだろうと楽しくなってきます。
最後の檸檬を主人公に渡すところら辺がなんとなく好きです。
『家守綺譚』(梨木香歩)で得たもの
自分は不思議な話や奇々怪々な物語が好きで本屋のポップや友人、ネットでいい本がないか探していたところ見つけた作家さんです。
この物語はどこか懐かしい気持ちになるようなそんな風景が沢山あります。
小説なので本当の出来事ではありませんが、でもどこかできっとこんな事が起こっているんじゃないかと考えるだけで気分が上がります。
一番魅力に感じたところは植物を中心とした話、又は構成になっているところです。
名前が出てくる度にどんな花だっけ?どんな木なんだろうなど調べたくなります。
そうしているうちに植物の知識が少し増えました。
『家守綺譚』(梨木香歩)はこんな方におすすめ
完全ホラーのゴリゴリ推理な綺譚では無いので、怖いのが苦手な方でも安心して読むことができます。
不思議な話が好きで和風なジャンルが読みたい方におすすめしたいです。
それと、日常に少しの楽しみを取り入れたい方などもぜひ読んで見てほしいです。
雨の日などに読むとより味わいがでると思います。
『家守綺譚』(梨木香歩)のまとめ
家守綺譚の他にもう1冊『冬虫夏草』という続きのストーリーが載っている本があるので是非そちらも併せて読んで頂きたいです。
高堂くんの純粋な心、主人公の風変わりでも温かい人なところ、ゴローのかっこいいシーン、植物の透き通った話・・・
全て合わさってこの1つの物語が進んでいきます。
私は作家さんとかは関係なく面白い本を漁って読んでいるので、たまにハズレを引いて退屈しながら読みますが、この本は面白すぎて読み止まらなくなるくらいおすすめです。