『図書館戦争』(有川浩)の概要
正化31年、社会の秩序を保つため表現を取り締まるメディア良化法が成立して30年が経った。
笠原郁は、高校時代に図書隊員によって検閲から本を守ってくれたことで自身も図書隊員を目指すようになる。
晴れて図書隊に入隊した郁は、不器用にも情熱的な姿を評価され、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになった。
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『図書館戦争』(有川浩)の注目ポイント
表現の規制が厳しくなり、自由が奪われつつある世界が舞台となっている中で起こる笠原郁と堂上教官の不器用な恋模様に読むと胸がときめきます。
堂上教官の仕事は出来るのに、恋愛には疎い感じが甘酸っぱい青春ドラマのようです。
お互いすれ違い、喧嘩をし、上司と部下という関係から恋人同士になっていく時間がもどかしいけれど、ずっと2人の恋愛事情を追いかけていたいと思ってしまいます。
2人を取り巻く周囲の人達の恋も応援したくなるほど甘いです。
『図書館戦争』(有川浩)の好きな場面
図書館革命のラストの戦闘シーンは涙なしには読めません。
相手に攻撃され、絶体絶命の堂上教官に郁が無理やりキスするシーンは何度も読み返してしまいます。
戦闘シーンの迫力はもちろん、次生きて会えるかわからないという緊張感に読んでいるこちらもドキドキします。
途中離脱してしまった堂上教官に残りの任務を任された郁が1人で不安になりながらもやり遂げようとする意志の強さにとても感動しました。
教官の無事を確認できた郁の涙にもつられてしまいます。
『図書館戦争』(有川浩)で得られたもの
本の表現が規制される世の中をリアルに表現しており、その世界が現実になる可能性もあり得ると思いました。
読みたい本が読めない、書きたい本が書けない・・・
そんな思いは現在も少しずつ現れていると思います。
多様性だからとあらゆる表現が規制されるのは皮肉であり、再び争いの世になってしまうのは避けたいと思います。
恋愛小説の中に描かれたこのような思いは読書が好きな人達にとって非常に思い当たる節があり、今本を自由に読めることのありがたさを実感できます。
『図書館戦争』(有川浩)はこんな方におすすめ
恋愛小説としてもとても楽しめる1冊ですが、アクション小説としてもおすすめしたい1冊です。
王道の展開ではありますが、銃を用いた戦闘は文字だけでもものすごい迫力があります。
別冊含め6巻出ていますが、堂上教官と笠原郁の恋愛模様を追っていくうちに、小牧教官とまりえちゃんや柴咲と手塚のじれったいけれど甘い恋模様も気になってしまいます。
ティーンズ向けですが、大人まで楽しめる1冊です。
『図書館戦争』(有川浩)のまとめ
漫画化、アニメ化、実写化されていますが原作を読んでいると、より一層楽しめると思います。
有川浩氏の代表作であり、恋愛小説好きははずせません。
1巻目の『図書館戦争』を読んだら、きっと最終巻まで止まらなくなってしまうでしょう。
有川浩氏は自衛隊と恋愛を絡めた小説が特徴でもあり、この『図書館戦争』以外にも自衛隊三部作という似たテイストの物語があります。
『図書館戦争』がハマった人ならば、必ず楽しめると思います。
大人のライトノベルと呼ばれる有川浩氏の描く男性はとても魅力的で毎回ときめいてしまいます。