『推し、燃ゆ』(宇佐見りん)の概要
ある日突然推しが炎上してしまったファンのあかり。
推しとの思い出を思い返しながら学校に行ったり家でテレビを見たりバイトに行ったり。
自分が書いてるブログで同じファンの人達と話したりして日々心をすり減らしながらも生きていく物語。
価格:638円 |
『推し、燃ゆ』(宇佐見りん)の印象的な登場人物
主人公のメンズ地下アイドルガチ勢のあかりとその友達の成美、炎上した推しのメンズ地下アイドルの上野真幸、家や学校、バイト先の定食屋、学校で精神的にきつい時に行った保健室、あかりの推し活にほとんど興味ない姉、限定公開のブログのフォロワーさん達、炎上した後にほとんど何が何だかよくわかってないまま乗った通学のための電車、バイト先の定食屋に来た裏手の新築マンションの工事をしている作業員の人達、バイト先の店長・・・
それぞれが個性的でそれぞれの場面で印象的です。
『推し、燃ゆ』(宇佐見りん)の好きな場面
冒頭の場面でベットの上で大好きだった推しがファンの子を殴り突如大炎上。
その事を知りその後直ぐに自分でも頭の中で整理がつかず何が何だかよく分からないうちに電車に乗って学校に登校しその途中の電車で乗り込んできた友達の成美に開口一番
「無事!?」
と言われて、あかりが
「ダメそう」
と言い、特に何も言葉を交わさなくても言いたいことが伝わる場面です。
成美あかりのことを心配してくれることが伝わります。
『推し、燃ゆ』(宇佐見りん)で得られたもの
推しの炎上には縁がなくても、推しが炎上したら『推し、燃ゆ』に描かれているようにテレビ、ネット、ブログ、YouTubeのコメント欄等、様々なところで言われる事になるんだろうと考えると、擬似的に推しが炎上したかのような感覚に陥ります。
125ページという比較的に短い話でも十二分に人の心を揺さぶる名作が生まれるのだと知りました。
『推し、燃ゆ』(宇佐見りん)はこんな方におすすめ
好きなアイドル、Youtuber、配信者、アニメキャ等、今推しと言えばとても幅広いですがそんな推しがいる人達にこそおすすめです。
推しが炎上するという絶対にファンとしてあって欲しくないシュチュエーションなのですが、それが逆にリアリティーがあり物語としてはおすすめします。
『推し、燃ゆ』(宇佐見りん)のまとめ
最初に『推し、燃ゆ』を読み始めた時は推しが炎上しそこから様々な人の助けを借りて主人公のあかりが立ち直っていく物語なのかと思っていましたが、いざ読み始めたら全くそんなことは無く物語が終わるまで、推しが炎上したことにショックを受けながら毎日を必死に生きていく姿でした。
今推しがいる方は、推しがいつどこで何をして炎上するか分からない時代なので、ありとあらゆることを想定して『推し、燃ゆ』を読んだ方がいいと思います。
そうでない方も、炎上した推しがいるファンはこんな気持ちなんだと知ることができる1冊です。