『日本語の作文技術』(本多勝一) ― #おすすめの本

『日本語の作文技術』(本多勝一)の概要

読む側にとって本当にわかりやすい文章をいかに書くか、この本田勝一氏はそのノウハウを解き明かしています。

日本人であるならば、日本語による文章なら誰でも書く事はできるという概念を根本から打ち崩した1冊です。

『日本語の作文技術』(本多勝一)の注目のポイント

文章を書くコツというものを解説したノウハウ本はこの世の中には数えきれないほど出ています。

中には普段の生活の中で話すように書けばいいというものもありました。

『日本語の作文技術』の中に清水幾太郎氏の『論文の書き方』からの引用文があります。

それによれば、「文章を書くというには、日本語を外国語として取扱わなければいけない」ということです。

この引用文は単に日本語を話すように書くのではなく、外国語を書くのと同じようにしなければならないということを言っています。

『日本語の作文技術』(本多勝一)のおすすめのノウハウ

『日本語の作文技術』の中で気付かされたことは、第三章の「修飾の順序」です。

いくつくか挙げられていますが、「長い修飾語は前に、短い修飾語は後に」というところで、これがわかりやすい文章を書くための最大のノウハウだと実感しました。

ライトを消して、止まらずに、速く(走る)。こういう例文があります。

これを長い修飾語は前に、短い修飾語は後にすればわざわざ点を打つ必要はなくなるわけです。

ライトを消して止まらずに速く(走る)。

こうすれば誤解も生まれません。

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感想(8件)

『日本語の作文技術』(本多勝一)で得られたもの

確かに日本語による文章は小学校から中学校、高校、そして大学などで散々習ってきたつもりでした。

しかし、その文章は本当に読む側にとってわかりやすいものかという問いかけには、自信をもってそうだとは言えません。

自分ではわかるだろうと思って書いていても、それを読む人には何だかわけが分からない、ということも往々にしてあるものです。

どうすればわかるように書くことができるのか、『日本語の作文技術』はそんな技術を教えてくれる技術本でした。

『日本語の作文技術』(本多勝一)はこんな方におすすめ

何も文章を書くことを職業にしている人だけではなく、学生や社会人でも文章を書く機会はあるものです。

まして今はインターネットの急速な普及にともなって、メールなどを書くことは誰でもしているのではないでしょうか。

そんな時に『日本語の作文技術』は必ず役に立ちます。

『日本語の作文技術』(本多勝一)のまとめ

『日本語の作文技術』の中でも触れていることですが、日記の文章というものは本人がわかればどんな文章を書いてもいいわけで、極端なことを言えば記号でもいいわけです。

しかし、その文章を人に読んでもらうというときには、やはりわかりやすいものでなければ意味がありません。

読んでもらってその内容をくみ取ってもらえてこそ、文章を書く意義があるのです。

必ずしもそれが名文である必要はなく、読んで分かればそれで文章の役割は充分に果たせるのだということを『日本語の作文技術』は教えてくれました。