『ソロモンの偽証』(宮部みゆき)の概要
とある中学校で一人の生徒が死んだ。
この同級生は自殺だと警察は断定したが、ある証言から殺されたのではないか・・・、という疑惑が生まれる。
真実を追求するために、生徒たちは校内裁判を行う。真実を見つけ出すことはできるのか。
生徒・教師・家族・警察の様々な視点から物語は進んでいく長編推理小説。
『ソロモンの偽証』(宮部みゆき)の好きな登場人物
6巻まであるこの小説は登場人物が多いです。
しかしながら、関係者それぞれの背景が描かれています。
特に主人公である女子生徒は正義感が強い反面、ヒール役の不良少年は殺害の疑いをかけられてどんどんひねくれ者になっていくところが印象的です。
中学生らしい描写がところどころありますが、校内裁判を行ったり、犯人捜しをするので現実的には考えられないほど大人びていると感じるところも一つの魅力です。
校内裁判がテーマである為、中学校での描写が多いので自身の中学校を思い出し懐かしくも感じます。
『ソロモンの偽証』(宮部みゆき)の好きな場面
校内裁判を始める準備期間が特に注目の場面です。
生徒達は夏休み中だが、それぞれが抱く感情が中学生らしく感じます。
主人公と不良少年のやりとりも面白いです。
互いに嫌いあっていますが、一人の生徒が仲介に入ることで、協力しあうところは読んでいて微笑ましく感じます。
この一人の生徒は引っ込み思案な性格でしたが、事件を通して大きく成長していきます。
1巻で大きく変化が起こるわけではなく、徐々に変化していくのでリアリティーを感じます。
その描写も面白く引き込まれていきます。
『ソロモンの偽証』(宮部みゆき)で得たもの
中学生は子供だと思っていましたが、この本を読んで大人になろうと成長し始めている時期が正にこの思春期まっただ中の中学生時代であると感じました。
現実にはこのような(校内裁判を起こす)中学生達はほんの一握りかも知れません。
しかし、この本を通じて自分の目で見て何が正しいのか、何が間違っているのか、自分達で考え行動していかなくてはならない、ということを改めて感じました。
同世代の子供がいる親、そして将来親になる方々は子供達に伝えなければいけないことでもあると思います。
『ソロモンの偽証』(宮部みゆき)はこんな方におすすめ
主人公達と同じ歳の中学生にも読んでもらいたいのですが、それ以上に親や指導的立場の方にも読んでもらいたいと思います。
マスコミに追われる生徒達について、殺害を疑われている生徒について、そして一番には死んでしまった生徒について教師という立場から何を感じるのか、聞いてみたいと思います。
『ソロモンの偽証』(宮部みゆき)のまとめ
あまり長編小説を読んだことのない方にお勧めします。
6巻もあるので躊躇する方も多いと思いますが、加速度的にどんどん面白くなり一気に読める作品です。
宮部みゆきさんの小説は設定・拝啓が細かいですが、この本は特に細かく感じます。
見どころとしては、やはり校内裁判ですが、なぜ生徒達がこの裁判を行うことになったのかも、この本を読んで納得してもらいたいです。
生徒の家族達、教師、警察視点・描写もあるので、それぞれの立場・年代での感じ方あるので、老若男女問わず読める本だと思います。
ブログ『大人の読書感想文』管理人が、SNSを通じて知り合った作家さんの本です。
・タイトル:『従順のすすめ』
・著者:清水竜志
・内容:現代思想についての本です。
「好きとは何か」
「学業学歴とは何か」
「お金とは何か」
「ストレスとは何か」
「宗教とは何か」
「個性とは何か」
「若者の品格とは何か」
「競争とは何か」
「死とは何か」
「人間とは何か」
といった、現代社会の漠然とした疑問を新しい理屈の真理で解明する、という新しい取り組みをした充実の内容です。
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