『デセプション・ポイント』(ダン ブラウン) ― #おすすめの本

『デセプション・ポイント』(ダン ブラウン)の概要

小さな綻びがやがて大きな疑問へ…隕石の正当性について疑問を持ち始めたことで、レイチェル達は命を狙われる。

彼女は次期大統領候補として口コミを高めている上院議員セジウィックの一人娘である。

―NASAが北極の中から生物の化石が含まれた隕石を発見した―

地球外生命体の影響の証拠を手に入れたNASA及び大統領側は、その正当性が確かなものになりNASAの存在意義が認められれば、劣勢な政局をすぐにひっくり返す事が出来る。

またまだ公にはされていない、NASAの成し遂げたある大発見について知らされる。

父の政治的野心や死亡した母への想いから父娘の間には深い溝が。

デセプション・ポイント(上) (角川文庫) [ ダン・ブラウン ]

感想(53件)

デセプション・ポイント(下) (角川文庫) [ ダン・ブラウン ]

感想(49件)

『デセプション・ポイント』(ダン ブラウン)の注目の登場人物

レイチェルの父に注目です。

大統領選において、レイチェルの父は巨額の経費が費やされるNASAを批判し、その経費を教育元金に回すと公言する事で大注目を集めていました。

ある日、NROの一職員でしかないレイチェルに現大統領から直々に極秘である要請がなされます。

レイチェルの父は大ピンチに見舞われます。

その質問で正当性が証明され、大統領はこの世紀の発見を世間へ公表。

レイチェルや他に著名な民間学者達がそのチェックを任され、北極の地へ。

政局の優劣が入れ替わり、世間がこの大発見に熱狂する中、チェックチームは隕石のおかしな点に気が付きます。

一方、現大統領ハーニーはNASAの熱烈支持者であり、NASAの口コミが地に落ちている現在、立場が危ういものになります。

『デセプション・ポイント』(ダン ブラウン)の注目ポイント

話の軸は、NASAの発見した隕石の真偽が大統領選挙に直結している事です。

何かを欺き、誰かを騙す事で何かを得ることが可能な人々…。

場面や人物の視点も変わるのでスピード感があり、読む手が止まらなくなります。

読者にNASAやNRO,ホワイトハウスについてや、隕石や生物についての知識がなくても、読み進めていくうちに理解出来ていくようなストーリー展開が見事と言えます。

世の中嘘だらけ・・・

レイチェル達がタイトルのデセプション(deception【欺く事、だますこと、欺瞞】)を見破り真実に近づいていく様は痛快です。

ですが、その真実が一概に都合が良いものとは限定しないため、読者はとてもハラハラさせられます。

『デセプション・ポイント』(ダン ブラウン)の魅力

上巻427ページ、下巻413ページの長編ですが、本当一気に読めます。

冷酷なまでに命を狙う『指揮官』の正体が・・・。

多くの方は必ず違う人物を思い描いてしまうでしょう。

この辺りが作者ダン・ブラウン氏のストーリー展開の上手いところです。

思いがけないような人物が本当は裏切っていたパターンは、映画にもなった『ダ・ヴィンチコード』他ラングドンシリーズでもよく見られます。

ラストの演説シーンはね、もう最高で、胸がスカッとなります。

下巻はそのスピード感で怒涛の勢いで読み切ってしまうことでしょう。

『デセプション・ポイント』(ダン ブラウン)はこんな方におすすめ

ミステリー小説が好きという人には特におすすめの作品となっています。

陰謀論好きな人もこの作品は楽しめるので、幅広い人達が楽しめる小説です。

長編が苦手という人でも読みやすくなっています。展開が速いので飽きずに読めます。

『デセプション・ポイント』(ダン ブラウン)のまとめ

都市伝説的な事柄に、ここまで信憑性を持たせることが出来る理論に小説とはいえ驚いてしまいます。

作者のダン・ブラウン氏のなせる業です。

また海外の小説は、翻訳次第では名作も駄作にもなり得ることもありますが、『デセプション・ポイント』はそのようなことなく物語に引き込まれます。

これは『ダヴィンチ・コード』『天使と悪魔』についても言えることです。

「どこまで本当の話なのか?」

とまで考えてしまします。

ダン・ブラウン氏の小説がおもしろいのは訳者の力量も素晴らしいものがあるとも言えます。

かなり厚い上下巻ですが一気に読めてしまう魅力的な作品です。