『ルームメイト』(今邑彩) ― #おすすめの本

『ルームメイト』(今邑彩)の概要

大学進学を機に上京してきた萩尾春海は、物件探しの際同じように住む場所を探している西村麗子と出会う。

ルームシェアをすることに決め、干渉しない約束のもと共同生活を送るが、麗子が突然失踪してしまう。

彼女はどこに行ったのか。

春海は麗子について調べ始めるが・・・。

ルームメイト (中公文庫) [ 今邑彩 ]

感想(15件)


『ルームメイト』(今邑彩)の好きな登場人物

好きな登場人物はマリです。

彼女は西村麗子の別人格であり、欲深く色香が漂ってくるような、まるで猫のように気まぐれなキャラクターです。

非常に支配的で人の同情を買うのが上手く、人を惑わせるような魅力からスナックで働いています。

人に対して冷徹な一面を持ち、別れ話のシーンがあるのですが相手に対してとにかく容赦がありません。

自分の望むよう物事が進む為には手段を問わず、相手の主導権を確実に握るしたたかさは魅力的ですらあります。

『ルームメイト』(今邑彩)の好きな場面

好きな場面は工藤が武原の別荘へ赴き、テープを再生し真相に気付くシーンです。

西村麗子(青柳麻美)はなぜ殺されたのか、また誰によって殺されたのか、といった真相が明らかになります。

このシーンにはとにかく驚かされます。

殺しの主が、工藤が想いを寄せそして今作の主人公に当たる春海であったからです。

この場面で工藤が激しく動揺しているその心情描写も優れておりハラハラします。

きっと誰もが予測のつかない展開なのではないでしょうか。

『ルームメイト』(今邑彩)から得たもの

『ルームメイト』(今邑彩)は多重人格について取り上げられています。

そして多重人格による犯罪をどう裁くのか、ということもテーマの一つとして掲げられています。

多重人格者による殺人は何度かニュースで見たことがありますが、そのドラマティックさや異常さばかりが先行して、ある意味エンタメのような関心の向けられ方をしています。

どう裁くべきなのか考え、そして裁くことが出来ないという選択肢もあるのかも知れないと気付かされます。

『ルームメイト』(今邑彩)はこんな方におすすめ

少し怖い話が読みたい方、”イヤミス”が好きな方、またどんでん返しを求めている方には特におすすめです。

最後には問題可決!という予定調和のミステリーに飽きてしまった方や初心者の方にも読みやすく、少し角度の違う小説としても是非一度読んで頂きたい作品です。

『ルームメイト』(今邑彩)のまとめ

『ルームメイト』(今邑彩)は読みやすい文体で普段読書をしない方でも気軽に読むことが出来ると思います。

一緒に推理しながら読むのも良し、映画化もされているのでそちらを楽しんでからも良し、キャラクターも魅力的なのでそこに注目しながら読むのも良し、様々な楽しみ方が出来る作品です。

今邑彩氏の作品が好きな方は乙一氏の作品もおそらく好みに当たるのではないかと思います。

また犯罪が絡むという点においては『イノセント・デイズ』(早見和真)も合わせておすすめしたい作品です。

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