『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(西原理恵子)の概要
幼少期、父はギャンブルにはまりギリギリの生活を送る貧乏家庭に育った西原理恵子氏の「カネ」に関するエッセイ集です。
子供時代の過ごし方、高校退学、大学受験当日に起こった父親の自殺など、絵で売れるまでの貧乏生活、自身のギャンブル体験などが取り上げられ、仕事とカネの関係について述べられたこれから生きていく上で必読の一冊になるでしょう。
この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫) [ 西原 理恵子 ] 感想(115件) |
『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(西原理恵子)の注目のエピソード
序盤に登場する西原理恵子氏の幼少期についての部分で、真夜中のドーナッツという項があります
父がギャンブルに溺れ経営していた会社も傾いていた頃の話です。
ダメな父でも父であることには変わりなく、西原理恵子氏の唯一父との幸せな思い出とも言える部分のエピソードです。
夜中に台所に立ってこっそりドーナッツを作る父、それを見つけた西原氏は2人で内緒でドーナッツを食べる・・・
この心温まる幸せな記憶の記述は切なく、その後父が自殺するという事実にひどく驚かされます。
『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(西原理恵子)の印象に残った場面
大学に進学してからも学業優先でなく、いかにお金を稼ぐといったことで述べられている場面です。
「最下位による最下位の戦い方」という言葉を使いトップになるのが目標ではなく、絵で食べて生きていくことを目標に定めています。
この部分は仕事をする上で自分が何に価値を置いて基準とするのか、それが人々との相対評価のみに集約しないという事実を表していて勉強になります。
はじめはノーギャラでも仕事を始めさえすればあとは周りの人が才能を見出し導いてくれると書かれていて勇気がもらえます。
『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(西原理恵子)から得たもの
仕事に対する考え方が変わりました。
漠然と給与は高い方が良いだろう、休日は取得しやすい方が好ましい・・・、等と考えていましたが、給与が高いということはがそれだけ我慢が多い、ガマン料が含まれているのだと書かれており、今まで考えられていなかった視点でした。
また自分の才能は自分で思っているものではなく他人が見出してくれるという文を読んで、もっと周りの声に耳を傾けようと意識するようになりました。
些細な褒め言葉でも実はよく言われていること等、自分の見つめ方に大きく影響しました。
『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(西原理恵子)はこんな方におすすめ
社会人にもおすすめですが、是非読んで欲しいのはまだ仕事をしていない学生の方や若い方です。
お金について実感がわいてないうちに読んで、こういう世界もあるのだと知るきっかけとしてほしいと思います。
さらに言うと中高生位に出会えると、なお良いのではと考えてしまいます。
将来に渡り重要なお金の話ですが、どうしても日本ではお金の話を子供時代には避けて通る傾向があります。
無知なまま社会に放り出されるより、その重要さを伝えるべきと思います。
『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(西原理恵子)のまとめ
西原理恵子は『毎日かあさん』など生活感に溢れコミカルな漫画で人気を博している漫画家です。
また高須クリニック院長との交際を公言していることでも有名な人物だと思います。
そんな西原理恵子氏によるカネの話は貧乏時代の強烈なエピソードによって裏打ちされ、その金銭感覚も鋭い。
特に幼少期のエピソードは想像絶するものがあり、漫画からは想像ができない内容となっています。
今作はお金に特別困ることなく過ごしてきた人にこそ読まれるべき本だと思います。
平和ボケしてなんとなくお金を使っている自分のことを叱りつけてくれるような素晴らしい一冊になることでしょう。
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