『水滸伝』(北方謙三)の概要
中国の水滸伝(すいこでん)を原作として、北方謙三のオリジナル要素を加えた作品。
十二世紀の中国北宋末期の時代、豊かだった国は少しづつ腐り乱れ荒れていた。
そんな中で腐った国を倒し、民に救いの手を差し伸べるべく立ち上がる漢達がいた。
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『水滸伝』(北方謙三)の好きな登場人物
水滸伝は、108人の好漢達が政府相手に戦う事で有名ですが、この北方謙三氏の水滸伝ではさらに多くの魅力的な登場人物が出てきます。
その中でも厳選して一人を挙げるならば、青面獣楊志です。
楊志は優しくて強くてまるで超人のようですが人間くさい部分もかなりあってとても好きな登場人物です。
妻子をどごでも守りぬく優しさと、部下の兵に厳しくも平等な精神には心打たれます。
しかし、一方で頑固な一面もあり多少融通が効かないところがまた魅力で、男女問わず多くの方が憧れる理想の人間像として描かれています。
『水滸伝』(北方謙三)の好きな場面
一番好きな場面は好きな登場人物でも挙げた青面獣楊志が敵の精鋭暗殺部隊150人を相手に妻子を守るためにたった一人で立ち向かう場面です。
打倒政府を掲げる梁山泊の一員として戦っていた楊志は、普段は部下である兵達と共に生活をしていて妻子とは離れて暮らしていました。
しかし定期的に妻子とは会っていて、場所も一部の人間しかわからないように工夫を凝らして密かに会っていました。
それがあることから敵にバレてしまい妻子とくつろいでいる時に急襲され窮地に立たされた楊志は妻子達を安全な場所に避難させ一人で150人を相手に立ち向かい100人を斬り殺して最後は立ったまま死んでいきます。
戦いの中で妻も死に、最後に残っていたのは子供一人だけでした。
この場面は涙なしには読めないと思います。
『水滸伝』(北方謙三)で得たもの
現実でも辛いことは多く、立ち向かわなければならないこともたくさんあり逃げ出したくなることも多いと思います。
この作品ではとてつもなく大きく、そして強く困難な敵を相手にそれでも怯まずに戦い、そしてその中で死んでいく108人を超える好漢達がいます。
辛くて逃げ出しそうな時はそういう登場人物達を思い出して自分を奮い立たせたりもします。
そして、勇気を持って戦えば小さな存在でも何かを変えられることができるという事を学びました。
『水滸伝』(北方謙三)はこんな方におすすめ
老若男女問わず読んでもらいたいです。
登場人物がかなり多く、また中国名だったりするので覚えるのが大変かもしれませんが読めばその魅力がわかり、物語に引き込まれること間違いなしです。
辛い時などに読むと頑張る力を得られるでしょう。
好漢達の生き様に感動して自分もそんな風に生きたいと思うことでしょう。
『水滸伝』(北方謙三)のまとめ
北方謙三氏の描く水滸伝は、原典の水滸伝とは大分違います。
出来る限りファンタジーな要素、例えば妖術等といったものは排除してより現実的な作品になっています。
この作品は水滸伝だけで完結せず、その続編として楊令伝と岳飛伝があって、全部合わせて北方大水滸伝と呼ばれています。
水滸伝は全19巻、楊令伝は全15巻、岳飛伝は全17巻と膨大な量の作品となっていますが読み始めると止まらずあっという間に全巻読み終えてしまいます。
水滸伝だけを読んでも十分に面白く、読み終わった後は感動の余韻で眠れなくなります。
なので、まずは水滸伝だけでも読んで見ることをおすすめします。
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