『アルケミスト』(パウロコエーリョ)の概要
「少年」が、宝物を探すという理由で、エジプトのピラミッドまで旅をするお話です。
その中で様々な人に出会い、生活をし、ほんとうに宝物はあるのか?と疑心暗鬼になりながらも少年は最後まであきらめずピラミッドへ向かいます。
アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫) [ パウロ・コエーリョ ] 価格:616円 |
『アルケミスト』(パウロコエーリョ)の好きな登場人物
作品の中盤で出会う、ファティマという少女です。
後に少年と愛し合う伴侶となるべき存在となるわけですが、それを生々しく表現することは一切されていません。
しかし彼女も少年も、スローモーションのように描写されたシーンから、出会った瞬間にお互いが特別な存在だと、わかっていたのです。
ファティマは自分の土地を離れることはできませんが、宝物を目指してピラミッドへ向かう少年を「ずっと待っている」と、送り出すのです。
『アルケミスト』(パウロコエーリョ)の好きな場面
ラストの場面が印象的で好きな部分です。
アルケミストとなりピラミッドも目の前に見えて号泣する、そのシーンだけでも涙があふれてきます。
しかしその後の急展開で、襲われてしまいあと一歩のところで、命を落としそうになるのです。
それをなんとか交わして、盗賊から聞いたひとつの言葉。
それが宝物のありかであり、今までにすでに行ったことのある場所だったのです。
そのキーワードを聞いた時には体がゾワッとする感覚に襲われるでしょう。
全ての物事は、つながっていたのだ!
と、そこで初めて序盤からラストまでの冒険の意味を知るのです。
『アルケミスト』(パウロコエーリョ)で得たもの
少年は夢をあきらめそうになりながらも、「きっと、いつか」という思いを抱いて、ピラミッドまでの遠い道のりを渡り切りました。
その先にあったものは自分自身をも強くし、自在にあやつるアルケミストとなれる力や、本当の財宝が実在したのです。
その中でくじけそうになっても、「いつかきっとできるはず」という希望や自分の目標を簡単に諦めないで頑張っていればそれは必ず報われるのだ、ということを学びました。
『アルケミスト』(パウロコエーリョ)はこんな方におすすめ
若い世代のこれからやりたいこと、夢や希望があって目標がある人達におすすめです。
努力はかならず報われるということ、無駄にはならないこと、強く生きることを教えてくれます。
『アルケミスト』(パウロコエーリョ)のまとめ
『アルケミスト』(パウロコエーリョ)を読んでいて、宝物というのは「愛」のことだと思いました。
中盤で、ファティマとの出会いがあるからです。
人生の中で大切なものは、愛なのだとそう思いながら読んでいました。
しかし怒涛のラストシーンで、「合言葉」が出てきた時は、財宝も本当に見つけたのか!と、鳥肌が立つことでしょう。
それまでの色々な伏線回収にもなっていましたし、序盤で退屈に感じたシーンにも、全てに意味があったのだとわかります。