『エヴァンジェリン姫』シリーズ『マダムとミスター』(遠藤淑子)から学ぶ完璧を求めない考え方 ― 『大人の読書感想文』

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このブログは、私の知人や募集で集まった方々の『大人の読書感想文』を掲載しております。

本のレビューではなく、その本を読んだその人がどのように感じ、どのように影響を受け、人生に活かしてきたかをまとめています。

その本に興味を持って頂くことはもちろん、あなたの悩みの解決や人生の励みになれば幸いです。


あなたは心の支えにしている言葉はありますか?

「ただ何となくカッコいいから・・・」

「有名な言葉だから・・・」

ではなく、頑張らなければいけない時、くじけそうな時、そんな時にふと頭に浮かぶ言葉です。

今回ご紹介する『大人の読書感想文』の作者は漫画の名言を心の支えにしているようです。

それと同時に漫画の主人公・登場人物の“生き方”からも多くの影響を受けているようです。

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『エヴァンジェリン姫』シリーズ『マダムとミスター』(遠藤淑子著)を知る者は幸いである

■心の支えになる漫画の名言

急ぎで片付けるべき案件があるのに、気分が落ちたり眠かったりするとき、頭をよぎる言葉がある。

1「人は戦うことをやめた時初めて敗北する。戦い続けるかぎりはまだ負けていない」

2「あきらめたらそこで試合終了ですよ」

3「もうダメだと思ったとき頑張った子に、神様はご褒美をくださる」

1は諌山創『進撃の巨人』のハンジ・ゾエ。

2は井上雄彦『スラムダンク』の安西先生。

3の台詞自体は正確でなくてごめんなさい、桑田乃梨子『あぶないティーチャー』シリーズの森島先生。

この三つを思い出して、漫画に支えられているなと笑いながら取りかかる。

もうひと押ししてくれるのが、遠藤淑子のシリーズもののヒロイン・エヴァンジェリン姫だ。

■白馬の王子様不在の『エヴァンジェリン姫』シリーズ

エヴァンジェリンは、小国エッシェンシュタインの王女。城を修繕できないほど国が貧しい。国民は自給自足できているので、国難だという認識は国民には薄いようだ。

窮乏していても、そこは一国の姫君、教養と箔をつけるために、留学をしていた。

繰り上げ卒業だったと知って、新人執務官が「優秀ですね」と感嘆する。

エヴァンジェリン姫は、卒業に必要な単位をとりまくっただけで成績は二の次と、こともなげに答える。国費で国外にいることを自覚し、財政難を案じていたのだ。

優秀でなくても及第点でよいという考え方は、納期に追われている時に助けてくれる。

”良いもの”を提出できるに越したことはないが、評価は相手の胸三寸だ。

少しでも早く出して、相手の要求とすり合わせていけばよい。

■財産目当てで結婚したメイド『マダムとミスター』

遠藤淑子の漫画で、もう一人印象的なヒロインがいる。

『マダムとミスター』のグレースは、富豪の未亡人。

高校を中退してメイドになり、財産目当てで結婚した。

グレースを貶めるために、亡夫の親戚が、美術品の解説を求める場面がある。

グレースは滔々と説明し、一同を驚かせる。

勉強したいと思えば図書館も美術館も無料で利用できた(海外では美術館を無料開放しているところも多い)、とグレースは言う。

高校卒業目前にして、グレースは親を亡くし、退学せざるをえなかった。

トップ争いをするほど成績優秀だったことを、親戚は知らなかったのだ。

■漫画を読む時、心のどこかで期待しているのは主人公の勝利である

スポーツものが顕著で、予定調和で読者を満足させることを、私たち読者は知っている。

一敗地に塗れようと、挫折感に打ちのめされようと、この苦境が主人公を成長させると信じて読み続けることができる。

弱者が勝ち上がっていく痛快さに、胸を躍らせて声援を送る。

遠藤淑子の漫画は、たいてい弱者は弱者のままだ。

成長はない。

エヴァンジェリン姫は城の床板を踏み抜かないように歩くし、グレースは財産を狙われ続けている。

彼女たちは飄々と危難をかわし、追いつめられた時、芯の強さを見せつける。

彼女たちを陥れようとした者たちは、目覚ましい改心は見せない。

彼女たちの身の処し方に唖然とし、撤退していくのだ。

そしてまた、彼女たちは、たくましくとぼけながら日々を過ごし、トラブルの渦中に巻きこまれていく。

彼女たちは、不運に見舞われているが、不幸には見えない。

貧しくても、自分で自分をみじめにしない術が身についているからだ。

手詰まりでもできることはあると、彼女たちの姿勢は教えてくれた。

漫画を読んでいる時は、「姫ってば、またおつきを困らせてる」と笑っていただけだった。

人生訓を得るほど影響を受けていたことに、私自身が驚いている。

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いかがでしたか?

本の中の登場人物達はシチュエーションは違いますが、すごく現実的に思え笑ってしまいます。

と同時に私達に人生を上手く生きるすべを教えてくれているようです。

エヴァンジェリンの「優秀でなくても及第点でよいという考え方」は、優秀な経営者やビジネスマン等の成功者に共通する考え方でもあります。

彼・彼女達は何か新しいことを始める時に完璧を求めません。

ある程度の準備ができたら、まずはやってみるのです。

そしてそれを進めていくうちに、常に改善を加えていきます。

多くの方は最初から完璧を求めます。

(そんなつもりはないかも知れませんが・・・)

そういう考えでいると、

「失敗したらどうしよう・・・」

「今は資金が(能力が)ないから・・・」

等々、条件が揃っていないことを理由に最初から諦めたり、遅々として進まなかったりして何も生み出さずに終わります。

現在でも新しいものに対しては、メディアや巷で不具合に対して嘲笑したりバッシングをしたり、「規制をしろ!」と声を荒げたりするのはいい例です。

最初から完璧を求めているからです。

しかし、行動力のある成功者達はそんな世間の声に屈することなく次々と改善を加えて自らの計画を進行していきます。

そしてまた、新たな計画を立て行動していきます。

一度世間から叩かれ(時には逮捕され!)て表舞台から消えても、またメディアに出てくる企業家等は典型例です。

メディアに復帰しなくても、実は新たな事業で成功しているという話はよくあることです。

もしあなたが、ビジネスでもスポーツでもあなたがいる場で他より抜きん出たいと思うなら、とても重要な考え方です。

グレースの「勉強したいと思えば図書館も美術館も無料で利用できた」と言うのは、現代によりマッチした考え方に思えます。

「○○したいんだけど、よく分からないし、基礎を教わってないから出来ない・・・」

と言って、行動を起こせない(起こさない?)人がいますが現代でも図書館は無料ですし、インターネットも普及しています。

パソコンでなくてもスマホで調べることができます(むしろ、その方が多いですよね)。

いくらでも学ぶ手段はあります。

どのような環境でも、出来ることはあります。

環境のせいにして出来ない理由を考え出すのではなく、最善を尽くすことの重要性を示しています。

これもあなたがいる場で抜きん出て、その他多数になりたくないのなら完璧でなくても一歩踏み出すことです。

マダムとミスター 1 (白泉社文庫)

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