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このブログは、私の知人や募集で集まった方々の『大人の読書感想文』を掲載しております。
本のレビューではなく、その本を読んだその人がどのように感じ、どのように影響を受け、人生に活かしてきたかをまとめています。
その本に興味を持って頂くことはもちろん、あなたの悩みの解決や人生の励みになれば幸いです。
子供の頃は読書好きでしたか?
あまり好きと言う人は多くないと思います。
読書好きは真面目で優等生で大人しい女の子・・・、というイメージがありますよね?
・・・ごめんなさい、偏見かもしれません(汗)
私の子供頃は実際そうだったんです・・・
夏休みの宿題の読書感想文や朝の自習の時間にほぼ強制的に読まされた記憶があります。
きっとあなたもそうだと思います。
でも、大人(高校生以上?)になって、ふと子供の頃に読んだ(読まされた)本を読み返すと意外な感想を持つことが多いものです。
私にとっては『星の王子様』(サン・デクシュペリ)や『ムーミン』(トーベ・ヤンソン)だったりします。
今回の『大人の読書感想文』は、小学生の頃学校司書をしていた読書好き(イメージはお任せします)の方のものです。
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『おーいでてこーい』(星新一)こどものころ読んだ本を読み返す
高校二年の晩秋、アリョーシャに恋をした。
二週間、ほとんど誰とも口をきかなかった。
登校はしていたけれど、彼のこと以外、何も考えられなかった。
■義務で本を読む小学生
以前勤務していた小学校では、学校目標として、「児童全員年百冊読破」を掲げていた。
学校司書の私は、心の中で「ムリムリ」とツッコミを入れていた。
蔵書に魅力がなかった。
日に焼けて薄汚れたものが、本棚を占拠していた。
児童は、積極的に本を探すことはしていなかったようだ。
薄くて埋もれていた比較的新しい恋愛ものを面出しすると、高学年の女子が競って借りていった。
当時のベストセラーは『妖怪レストラン』で、妖怪や幽霊が出てくる本が人気だった。破壊されたものを修繕するのが、私の業務のほとんどだった。
公営図書館もなく書店もない町だ。
行動範囲のせまい小学生が、読みたい本を探すのは難しい。
スポーツクラブや塾通いで、こどもはこどもなりに忙しい。
いつも同じ小さい絵本を借りていくのは、六年生だった。
彼の能力なら、もう少し活字が詰まったものでも、読みこなせたはずだ。
野球と遊びが楽しくて、他に時間を割きたくなかったらしい。
読了後は記録したノートを担任に提出するのだが、それも「面白かった」の一行ですませていた。
■「おーいでてこーい」を再読する大人
高学年で読書が好きな児童が次に選ぶ本は、ラノベが多い。
文庫サイズの本を読むのが、少し大人になった気分が味わえるからだ。
私が最初に読んだ文庫は、星新一『ボッコちゃん』だったと思う。
中学に入ったばかりだった。
バザーで、売れ残りの本を紙袋に詰めたものに入っていた。
星新一は未知の作家だった。
掌編はどれも読みやすかった。
一般向けのハードカバーと比較して、文庫は軽い読み物だという印象が残った。
成人して読み返したとき、イメージは覆された。
星新一の掌編は、示唆に富んだ世界があり、淡泊な文章の行間には情報が凝縮されている。
背伸びして大人の本を読みたかった中学生は、活字の上っ面を追いかけているだけだったのだ。
今、小中学校の教科書に、星新一の作品が採用されている。
児童向けに編集された、星新一傑作選もある。
しばしば話題になる「おーいでてこーい」は、小学校の教材でもあり、『ボッコちゃん』に収録されている。
授業での「おーいでてこーい」は、”因果応報”がテーマになっている、と教わったのではないだろうか。
人生経験を積み、社会の構造を知った今読み返してほしい。
感じるものが違うはずだ。
小学生のころ、「よくわからないけど、なんとなく面白い」という感想だった人ならば、尚更読んでほしい。
自分が大人になってしまったことがわかる。
冒頭の話に戻る。
その十年後、アリョーシャに会いに行った。
あろうことか、アリョーシャの兄イワンに惹かれていた。
十年経つと、男の趣味も変わるのかと、憮然とした。
皮肉屋のイワンは嫌いだったのだ。
成長していないようで、それなりに変わっていたらしい。
アリョーシャもイワンもリアルの男性ではない。
『カラマーゾフの兄弟』の作中人物である。
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いかがでしたか?
もしあなたも子供の頃に読んでいた本があれば、もう一度読み返してみてはいかがでしょうか?
懐かしいな・・・、という感想だけでなく、子供の頃には気付かなかったものが見えてくると思います。
それがわかれば読書はあなたの生活を豊かにし、人生をも変える力があることに気付くかも知れません。
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