『私にふさわしいホテル』(柚木麻子)の概要
文学新人賞を受賞して念願の小説家になれるはずだった主人公加代子でした。
しかし同時受賞者の元アイドルに注目を持っていかれ世間からは忘れられてしましました。
自腹で「山の上ホテル」にこもって執筆しようとした時、大学時代の先輩である遠藤が訪ねてきて、上の階で大御所作家の東十条宗典が執筆していると聞かされます。
加代子はとんでもない作戦で仕事を奪ってしまいます。
その後も小説家として立ちはだかる困難を驚きの方法で突破し続けます。
感想(1件) |
『私にふさわしいホテル』(柚木麻子)の好きな登場人物
好きな登場人物は東十条宗典です。
加代子の罠に簡単に騙されやすく、そんな姿がどこか可愛いキャラクターです。
騙されると大御所らしくかなりお怒りになるのですが、それも遠藤に簡単に抑えられてしまいます。
そんな姿にどこか親しみを感じるというか、本当にいそうなキャラクターで好きなキャラクターです。
また、加代子の大学時代の先輩である遠藤も面白いキャラクターで色々と言いつつも加代子にきっかけを与えるあたりが少しかっこいいなと思います。
『私にふさわしいホテル』(柚木麻子)の印象的な場面
好きな場面はもちろん加代子の奇想天外な方法でいろんな人を罠にはめていくところです。
どの方法も簡単なことではないのにも関わらず、持ち前の演技力で完ぺきに騙しきってしまいます。
そして、その相手側が騙されていることに気づいた時には何もかも手遅れで、何だか気持ちがいいくらいに騙してしまうので読んでいてすっきりします。
また、遠藤が加代子を助ける場面も何かやさしさというか愛を感じる場面で好きです。
『私にふさわしいホテル』(柚木麻子)で得られたもの
『私にふさわしいホテル』(柚木麻子)で得られたものは奇想天外なことを起こせる可能性です。
奇想天外なことを起こすのは簡単なことではないのですが、たった一度だけでいいから奇想天外なことを起こせると大きな変化を身の回りで生めるということ。
もちろんこの物語は小説であって現実で起こりえないことも多いのですが、普通では思いつかないことを考えられる少しの才能と、それを実行に起こせるすこしの勇気を持っていれば現実でも自分の未来をいい方向に動かせると思いました。
『私にふさわしいホテル』(柚木麻子)はこんな方におすすめ
本を読むのは苦手だけど面白い話であまり長すぎない物語が読んでみたいという方にはおすすめです。
クスっと笑える物語が読みたい時、本選びに迷ったら手に取ってもらえるとちょうどいい本です。
『私にふさわしいホテル』(柚木麻子)のまとめ
先が常に気になるので読み続けたいと思う一冊です。
1人1人のキャラクターに可愛げのある姿、馬鹿っぽい雰囲気、優しい雰囲気というように、それぞれ捉えやすくなっていて普段読書なんて全然しないという方でも読みやすいと思います。
また、現実的ではないのに自分もそんな風にやってみたいと思わせてくるような加代子の罠にわくわくして、最後まで楽しく読めると思います。
そして、何より人間らしさも感じれるそれぞれのキャラクターに親近感を覚えます。