『機関車先生』(伊集院静) ― #おすすめの本

『機関車先生』(伊集院静)の概要

瀬戸内海に浮かぶ葉名島を舞台に、島の中にある小学校に赴任してきた吉岡誠吾。

彼は幼い頃の病気の影響で、口がきけませんでした。

誠吾は生徒達から「機関車先生」と呼ばれるようになります。

様々な出来事を通して誠吾と生徒達、島民の人々が関わりあい、絆を深めていくお話です。

機関車先生 新装版 (講談社文庫) [ 伊集院 静 ]

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『機関車先生』(伊集院静)の好きな登場人物と場所

好きな登場人物は、吉岡誠吾です。

彼は口をきくことはできませんが、言葉では伝えることができない大切なものを、葉名島の生徒達に教えていきます。

そんな彼の姿を見て、最初は口がきけない先生ということで非難していた島民の人達も、少しずつ心を開いていくのです。

誠吾の熱意ある姿や、優しさは読んでいて人の心を動かすものがありました。

そして好きな場所は葉名島が浮かぶ瀬戸内海の美しい海です。

読んでいて行ってみたいという気持ちになりました。

『機関車先生』(伊集院静)の好きな場面

誠吾が葉名島の人間ではなく、よそ者という理由で意味もなく殴られてしまい、現場に居合わせていた生徒の修平に「殴り返せ」と言われたにもかかわらず、無抵抗で殴られ続ける場面が好きです。

殴られっぱなしの誠吾に対して、弱虫と吐き捨てる修平に、佐古校長が一言「やられたら、やり返す。そうして戦争は始まるのだ」という言葉は、とても重く心が震えました。

誠吾の男気や優しさを心から感じることができる場面で、誠吾に尊敬の念を感じました。


『機関車先生』(伊集院静)で得られたもの

私もどちらかというと短気な性格で、何かを言われたらすぐに言い返してしまいがちでしたが、機関車先生を読んで争いをすることの醜さを知り、穏やかに物事を解決していこうと思えるようになりました。

また、誠吾の心の広さや優しさが島民や生徒達に伝わっていく姿を見ていて、私も言葉だけでなく行動できっちり示していこうと思えるようになりました。

その結果、人のために何ができるかをきちんと考えた上で、一つ一つ実行していくようになりました。

『機関車先生』(伊集院静)はこんな方におすすめ

普段の日常生活で悩んでしまった時や、人間関係が辛いと感じた時に是非読んでほしいです。

人間関係を円滑にしていく為のヒントを、誠吾の行動一つ一つで感じることができます。

また、心が疲れてしまった方にも是非読んでほしいです。

『機関車先生』(伊集院静)のまとめ

誠吾が見せてくれた、言葉だけでは伝えることができないことを、たくさん学べた作品でした。

毎日生きていると、職場や学校、家庭等多くの人間関係が発生します。

その中でぶつかって学ぶこともあるとは思いますが、一番は平和に解決することや、無駄な争いはしないこと。

その大切さを誠吾から学ぶことができました。

常に生徒に寄り添い、島民の方ともきちんと向き合っていく誠吾は、先生の鑑であり人間の鑑だなと強く感じました。