『刑事鳴沢了 シリーズ』(堂場瞬一)の概要
主人公の鳴沢了がさまざまな事件を解決していく物語です。
鳴沢了の破天荒さや各エピソードで変わる相棒とのコンビネーション、被害者の周辺人物とのやり取り、その人間関係にて変化していく鳴沢了自身の刑事としての葛藤や成長が見所です。
『刑事鳴沢了 シリーズ』(堂場瞬一)の好きな登場人物
主人公の鳴沢了はもちろん各エピソードによって変わる相棒がかなりいい味を出してます。
新人刑事、過去に影のある女刑事、体力自慢の鳴沢了とは逆の頭脳派先輩刑事、まだまだいますがどのバディも一癖二癖あります。
被害者の家族や関係者も主人公を成長させるのに一役かってます。
登場する舞台も新潟、東京、アメリカなどいろいろありますが、かなり細かい描写でその土地を知ってる読者なら思わずニヤリとするのではないでしょうか。
『刑事鳴沢了 シリーズ』(堂場瞬一)の印象的なエピソード
各エピソードはもちろん面白いのですがなんといっても最終章9、10巻の「久遠」上・下巻が面白いです。
最終章にふさわしく全エピソードのバディ達が次々登場します。
1匹狼で事件のこととなると一人で暴走して捜査してると思っていた鳴沢了のことを損得抜きで手伝おうとする仲間たち集まってくるところが胸を熱くさせてくれます。
又、最終章の後日談が語られる外伝も忘れてはいけません。
本編のシリーズは鳴沢了が主人公ですのでもちろん鳴沢了目線での文章になってます。
ですが外伝は各バディが主人公の短編集ですので、各バディから見た鳴沢了が語られます。
個人的にはバディとの食事をするシーンが好きです。
最初は刑事たるものすぐに動けるよう食事は何でもいい、早くたべれるものがいい。という考えが様々な人間と関係を持つことによって変わっていきます。
だんだん食事のシーンの描写が長くなっていくのも面白いシーンの一つです。
久遠(上) 刑事・鳴沢了 (中公文庫 と25-54) [ 堂場 瞬一 ] 感想(0件) |
久遠(下) 刑事・鳴沢了 (中公文庫 と25-55) [ 堂場 瞬一 ] 感想(0件) |
『刑事鳴沢了 シリーズ』(堂場瞬一)での魅力
事件の謎解き要素(犯人がだれか、動機は?を考える)あり、アクションシーンもあり人間関係、恋愛などいろいろなジャンルが混じっていいて色々な角度から楽しめます。
ちょっと難しい言葉やあいまいに使っていた言葉が多く出てくるのでそのたび辞書で調べたりして勉強にもなりました。
被害者家族やその関係者にはアフターケアが必要なことや在日外国人の労働に色々なしがらみがあることなども知ることができます。
『刑事鳴沢了 シリーズ』(堂場瞬一)はこんな方におすすめ
刑事ドラマや小説を見ない人ほど読んでもらいたい作品です。
アクション映画が好きな人にもおすすめできます。
佳境に入ってからの怒涛のアクションシーンからのクライマックスは一気に読んでしまいます。
『刑事鳴沢了 シリーズ』(堂場瞬一)のまとめ
1人の刑事が成長していく物語です。
そしてその成長には様々な人間がかかわり、仲間ができ、そしてまた次の事件に続く。
全10巻+外伝1巻では終わってほしくない内容です。
これで鳴沢了と堂場瞬一作品のファンになった人には次のステージが待ってます。
鳴沢了と関係のある検事の城戸南が主人公の『神の領域』。
外伝1話の出てくる高城賢吾が主人公の『警視庁失踪課・高城賢吾』シリーズ。
高城賢吾シリーズに出てくる沖田、西川のW主人公は『警視庁追跡捜査係』シリーズ、
沖田、西川の刑事仲間の大友が主人公の『アナザーフェイス』シリーズとつながっていきます。
全て刑事が主人公なのに全て違うテイストなのでぜひ読んでみてもらいたいです。