『ノルウエイの森』(村上春樹) ― #おすすめの本

『ノルウエイの森』(村上春樹)の概要

キズキ、ワタナベ、そして直子、緑。

3人の純粋だった十代の恋模様について回想した形で描かれた小説。

飛行機の機内で唐突に直子のことを思い出したワタナベが、激し過ぎる悲しみに襲われ座り込んでいるところから物語は始まる。

ワタナベ、38歳のある日のことである。

10代の頃の直子や親友だったキズキのことを回想する。

『ノルウエイの森』(村上春樹)の好きな登場人物

気持ちの揺れ動く様子等が描かれている直子に注目です。

大人しい繊細な少女のイメージだったのだが、映画化された際に菊池凛子が演じたのは意外でした。

セックスというものについて、20歳になる節目に直子に起きたことというのが物語のテーマのように思えます。

キズキという幼馴染みと2人で性的関係を持ちながら大人になったと言うが、直子が20歳の誕生日にワタナベとセックスしたこのが初めてだったという。

17歳で自殺したキズキにどうしてだったんだ?とワタナベは語りかけます。

『ノルウエイの森』(村上春樹)の印象的な場面

キズキが自殺した場面を繰り返し読んでしまいます。

ワタナベと午後の授業をサボりビリヤードをしに行ったこと。

4ゲーム球を突き、2人で和んでいる場面とその夜、キズキが自殺したという衝撃的な場面です。

和んだ日常というものと衝撃的な死という、その日起きたことのギャップのようなものが劇的で、深い傷になります。

車にガムテープを貼って排気管を咥えてアクセルを踏み自殺したというキズキだが、17歳という年齢と自分でアクセルを踏んで死んだという自殺の仕方が後々まで深い傷になっています。



『ノルウエイの森』(村上春樹)で得たもの

大人になる代償を払わなかったというキズキと直子。

性的な関係を持ちながら2人で成長したからツケがきたんだと後にに語ります。

セックスというひとつのことがらが、この『ノルウエイの森』(村上春樹)に提示されている。

キズキとツケが来るほどの関係でありながら、初めてセックスをしたのはワタナベとでした。

20歳の誕生日に一度だけ訪れ二度とやってくることはないと、たった一度のセックスについて語る直子。

20歳という年齢を大人と捉えたのだろうと思います。

たった一度のセックスについて、直子は自分を愛してすらいなかったのだと回想して悲しむ冒頭のシーンが感動的です。

『ノルウエイの森』(村上春樹)はこんな方におすすめ

人や人の傷について自分なりの考えを持ちたい人に読んで欲しい作品です。

登場人物が皆、恋をし、傷ついています。

絵に描いたような恋ではなく、躓きながら(自殺を選んだ親友は傷を取り繕えなかったのだろうか)、関係を深めていきます。

読んで自分なりの考えを持ちたいという人には、ぜひ読んで欲しいと思います。

『ノルウエイの森』(村上春樹)のまとめ

直子と緑、はつみさんや玲子さんという女の登場人物の魅力を堪能したい作品です。

4人とも個性的です。

大人しく繊細な少女というのが小説の直子のイメージでしたが、セックスということばかりが話題の的となった後に撮られた映画で、菊池凛子という配役で直子が映画に撮られました。

イメージが小説とは違うのだが、菊池凛子という女優の激し過ぎる業というものにより直子という配役の極限のようなものが撮られているように思い、小説とはまた違った面白味があります。

叫び声をあげる菊池凛子を性欲を抑えられない化物と思うか否か。

議論があったのではないでしょうか。

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