『パレートの誤算』(柚月裕子) ― おすすめの本

『パレートの誤算』(柚月裕子)の概要

社会福祉課で働く新人の牧野聡美は、ベテランのケースワーカー・山川を心から尊敬していました。

しかし、その山川が仕事先のアパートで何者かに殺されてしまいます。

人望の厚い山川が殺される理由は一体何だったのか?

生活保護の闇に迫っていく社会派のミステリーです。

パレートの誤算 [ 柚月 裕子 ]

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感想(7件)

『パレートの誤算』(柚月裕子)の好きな登場人物

好きな登場人物は、主人公の聡美と行動を共にしていくことになる小野寺淳一です。

小野寺は、聡美と共に事件の真相を突き止めていくのですが、終盤になってちょっとずつ2人にズレが生じてきます。

小野寺が聡美にとって敵なのか味方なのかが分からなくなってくるので、その辺は読んでいて面白いはずです。

小野寺の仕事に対する熱意も徐々に変わってくるので、読んでいて応援したくなる人物になってきました。

ケースワーカーとしても聡美の先輩としても、素敵な人物だと思います。

『パレートの誤算』(柚月裕子)の好きな場面

好きな場面は、終盤で聡美が拉致されてしまう場面です。

意識が朦朧としていく中で、真実にたどり着こうとしていく所は見ていてハラハラしていきます。

早く警察が真実にたどり着いて、聡美を助けて欲しいという気持ちが湧いてきました。

また、物語を読みながらも聡美の言っていることが本当に正しいのか?とこちらも考えながら読めるので面白いです。

読者も一緒に推理しながら読めるようになっているので、ハラハラが止まらない展開になっています。



『パレートの誤算』(柚月裕子)で得たもの

生活保護受給者の闇について、深く考えさせられました。

一生懸命に働こうとしている人の傍らで、ヤクザの食い物にされている人もいて、なんだか見ていていたたまれなかったです。

日本の現実問題としても本当にありそうな問題なので、国民全体で真摯に向き合っていかなければならないんじゃないかと考えさせられました。

自分達の税金から賄われているものだからこそ、もっと社会全体で制度を考え直す必要があるのかも知れません。

多くの方は普段このようなことを考えないかと思いますので、とても勉強になる一冊になると思います。

『パレートの誤算』(柚月裕子)はこんな方におすすめ

生活保護を考えている人や、生活保護受給者には1度読んでみて欲しいです。

職員の苦労が伝わってくると思います。

また、税金を払っている国民も読むべき小説だと思いました。

ミステリーにはなっていますが、社会問題について考えさせられると思います。

『パレートの誤算』(柚月裕子)のまとめ

社会の闇に迫ったミステリーになっているので、とても読みやすく勉強になります。

生活保護とは何なのか?今まで知らなかった情報がリアルに感じられるはずです。

また、ミステリーとしても秀逸な出来となっているのでおすすめです。

黒幕の正体が意外な人となっているので、推理しながら読むとさらに楽しめると思います。

序盤でノーマークだった人が、後半で一気に怪しくなってくるので、そこは見どころです。

また、タイトルにもなっているパレートの意味も本文で出てくるので、そこが分かると余計に深くハマれると思います。