『パンとスープとネコ日和』(群ようこ)の概要
唯一の肉親である母親を突然亡くしたアキコ。
永年勤めていた出版社を辞め、母親がやっていた飲食店を改装し、サンドイッチとスープの店を開店させます。
従業員のしまちゃん等、周囲の助けも借り、試行錯誤して店を盛り上げていきます。
泣いたり笑ったり、猫に癒されたり・・・
そんな日々を描いた一作です。
【中古】【古本】パンとスープとネコ日和 角川春樹事務所 群ようこ/著【文庫 日本文学 ハルキ文庫】 価格:338円 |
『パンとスープとネコ日和』(群ようこ)の好きな登場人物
しまちゃんという登場人物が好きです。
しまちゃんは元ソフトボール経験者で、背が高く体ががっちりしており、礼儀正しい女性です。
アキコの店の求人に応募してきて採用されました。
無駄なことは言わず、素直に礼儀正しく振る舞うしまちゃんに、他の応募者がいたにも関わらず、アキコはすぐに採用を決めます。
しまちゃんは自分の考えを前面に出さず、しかし自分の考えはしっかり持っていて発言もできる女性です。
多くの方がしまちゃんのような女性になりたいと憧れを抱くことと思います。
『パンとスープとネコ日和』(群ようこ)の好きな場面
ある事件が起き、アキコは落ち込んでしまいます。
そんな中、以前行ったお寺へ出向き、お寺の住職の奥さんに勇気づけられる場面があります。
お寺の住職は、実はアキコの兄と思われる人なのですが、その事実は住職にもその奥さんにも伏せてアキコは会いに行きました。
アキコは「こんなこと話しても良いだろうか」と思いながら、思いを涙ながらに話します。
住職の奥さんはアキコの思いをしっかり受け止めてくれて、アキコは話した後、胸が軽くなる想いになります。
『パンとスープとネコ日和』(群ようこ)で得たもの
1人で頑張っているように思えて、実は色々な人に助けられている。
当たり前のことだけれど、日々忙しいと忘れがちで大事なことをこの本は気づかせてくれます。
また、主人公の心の動きが丁寧に描かれており、共感する部分も多くあります。
主人公が、他人に自分の辛さを話す場面では、もう少し人に頼っても良いんだなとか、頼った方が前に進めることもあるなと感じると思います。
頑張ることも大切ですが、時には1人で抱え込むのではなく、少しずつ人に頼るということも同じく大切であることを学べます。
『パンとスープとネコ日和』(群ようこ)はこんな方におすすめ
心が疲れている時、ホッとしたい時に読むと良いと思います。
『パンとスープとネコ日和』(群ようこ)に出てくる人は、基本本当の悪人は出てきません。
大きな事件も起こりません。
周囲の温かさにホッとさせられる本です。
また、独身女性を主人公にしているので、同じ立場だと感情移入しやすいかもしれません。
猫が出てくるので、猫好きも必見です。
『パンとスープとネコ日和』(群ようこ)のまとめ
『パンとスープとネコ日和』(群ようこ)は、WOWOWで連続ドラマ化(小林聡美さん主演)されました。
映像のパンやスープは美味しそうだし、配役もピッタリでした。
特に向かいの喫茶店のママをやっている、もたいまさこさんがいい味を出しており、クスリと笑えます。
そして見た後はお腹が空いて、サンドウィッチを食べてスープを飲みたくなってしまうでしょう。
本と同様、ドラマも癒し系です。
日々疲れを溜めている方は、本を読んだ後、ドラマも見るととても癒された気持ちになると思います。
もちろん、猫も出ており可愛かったです。