『ぼくは王様 たまごがいっぱい』(寺村輝夫)の概要
たまごが大好きな王様はたまごを独り占めしようと思い国民に
「今日からたまごを食べていけない。ニワトリはたまごを生んではいけない。」
と、言い出します。
それを聞いたニワトリは大慌て!
たまごを焼けなくなったフライパンは、仕事を奪われたと怒ってお城に押しかけてきます。
ちょっと困り者の王様とユニークなキャラクターたちの織りなす愉快なお話しです。
|
『ぼくは王様 たまごがいっぱい』(寺村輝夫)の好きな登場人物
何を差し置いても主役の王さまが大好きです。
王さまは大人なのに、たまごが大好きで大好きでついには独り占めをしてしまうほど!!
国民に「食べちゃダメ」と、言ってしまう所は、困ってしまいますが、どこか可愛くてクスッと笑ってしまいます。
その後、お城に怒ったニワトリは押しかけてくるは、フライパン達は列を成して行進してくるはで大騒ぎ!!
フライパンたちに懲らしめられた王さまは、独り占めをした事をきちんと反省します。
その王さまの姿に短いストーリーの中に成長と学びを感じます。
『ぼくは王様 たまごがいっぱい』(寺村輝夫)のおすすめの場面
たまごがキーになってるお話しなだけに、たまご焼きの表現が素敵です!!
ふんわり柔らかくて、フワフワのたまご焼きを王さまが美味しそうに食べるシーンを何度も読んで、私もたまご焼き(オムレツ)が大好きになりました。
そして、王さまシリーズの読みどころになっているのが、言葉と擬音の使い方だと思います。
たまごを焼く事が出来なくなったフライパン達が怒って、お城に行進してくるのですが「じゃがじゃがしゃが」と歌いながら押し寄せてくるのです。
その言葉だけでフライパンの質感や性格、行進してくる情景まで見えてくるように感じられます。
『ぼくは王様 たまごがいっぱい』(寺村輝夫)の注目ポイント
子供も大人も現実でこのような独り占めをすること自体良くないことと分かっているので、独り占めをする前に止めてしまいます。
でも、もしそれを実際にしてしまったら…。
この本を読んでストーリーの中からどのように皆んなが困ってしまうか、そして結末できちんと反省する王さまの姿に、読む人の気持ちを重ね合わせることで、疑似体験をし同じく反省の気持ちを知ることが出来るのではないかと思います。
ストーリー以外にも擬音の使い方や個性豊かな言葉に想像力の幅を広げてもらったのは確かです。
『ぼくは王様 たまごがいっぱい』(寺村輝夫)はこんな方におすすめ
小学校の図書室に置いてあったり、国語の教科書にも載っていたりすることもあり、想像力や発想力の塊で成長過程にある、子供達に読んでもらいたいのは一番にあります。
しかし、たまごの美味しそうな表現や突拍子もないストーリー展開は、夢見る気持ちが薄れ気味な大人の方にこそおすすめしたい作品です。
文字は大き目でストーリー自体もそこまで長くはないので、ちょっと空いた時間でサクッと1話読めるのも手軽と思います。
映画やアニメにもない、なんともユニークなお話しを是非ご自身の頭の中で描き楽しんで頂きたいです。
『ぼくは王様 たまごがいっぱい』(寺村輝夫)のまとめ
元々、『王さまシリーズ』が大好きで小学生の頃には図書室で読んだことのある方も多いのではないでしょうか。
ストーリーはいつもお城の朝を知らせるラッパの音「テレレッテ トロロット プルルルルル」で始まります。
ラッパの音をそのような言葉で表現することにクスッとなって「なんでこの言葉なんだろ?」と考え、想像力が膨らみました。
その時の不思議な好奇心は大人になっても残っていて、未だに鮮明に『王さまシリーズ』を覚えています。
少しシュールでファンタジーワールド全開のお話しを、読んでみて是非心をホッとほぐされてはいかがでしょうか。