『よみがえる変態』(星野源) ― #おすすめの本

『よみがえる変態』(星野源)の概要

星野源の中に潜在する変態性をコミカルに描きつつ、仕事とプライベートの向き合い方を赤裸々に綴られている連載コラムの集約。

後半は急性蜘蛛膜下出血で闘病した過去が描かれており、性だけではなく生について考えさせられる。

よみがえる変態 (文春文庫) [ 星野 源 ]

感想(17件)

『よみがえる変態』(星野源)が好きな登場人物

登場人物は自叙なので主に星野源氏ですが、多忙な星野源がある程度売れてからも深夜のデニーズで執筆活動をしていたというところが親近感が湧きます。

品川のイタリアンカフェで甘いものを食べながら雨宿りをし、老紳士を見ながら物思いにふけるシーンは筆者の観察眼の高さが現れていると思います。

闘病生活で星野源氏が最後に執刀を依頼する名医も個性的で面白いです。

丁寧な問診をしながら「人は死ぬ時は死ぬ」と言い切れる潔さがとても心地よくさえ感じます。

『よみがえる変態』(星野源)の好きな場面

後半、闘病生活の中で可愛い看護婦に浣腸をされることでなんとか興奮しようとしてみたができず、実はその看護婦がファンであったことから罪悪感に苛まれる場面はなんとも変態性がリアルに描かれており、とても面白く読めます。

その他にも終始星野源氏の変態性が書かれているますが、自宅謹慎(安静)の時にやることがなく脳への刺激を不安がりながらも自慰行為にふけるシーンは性に対して生死をかけているところがコミカルに描かれていてなんとも面白おかしい場面です。

それがまた人気絶頂期の頃だというからまた好きになれます。

『よみがえる変態』(星野源)で得たもの

女性誌のコラムで人気俳優の自分が、変態性をオープンにすることでその潔さと共感を持ちました。

犯罪的な変態ではなく、性に対してもどこか可愛げがあり愛くるしい。

それは筆者の持つ天性の才なのではないかと感じました。

生きていく中での葛藤や悩みは多い。

しかし筆者が全力で生きている姿を読んでいく中で、自分自身も「悩みながらも生きていくということはこんなにも素晴らしいのだ」ということを考えさせられます。

普段は表にできず、真面目に受け止められない自慰行為ももっと真剣に考えてもいいのでは、と思わせます。

『よみがえる変態』(星野源)はこんな方におすすめ

同じ30代の独身男性には特に読んでもらえると心が軽くなると思います。

また思春期の学生にもいい教材になると思います。

できれば女子学生に読んでもらいたい。

成人男性がどのように性を捉えているかを偏見なしで捉えられると思います。

それを現実として受け止め自身の中で消化できるのか、忌み嫌い目を背けるのかで、今後の男性との付き合い方の別れ道になるように思えます。

『よみがえる変態』(星野源)のまとめ

前半は星野源氏による保健体育の授業のような印象を受けましたが、後半につれテーマが「性から生に変わっている」感覚になり生きるというドキュメンタルドラマを見ているかのような錯覚が起きます。

星野源氏はただ自分の性癖をコミカルに晒しただけではなく、本当に伝えたかったことは「自分を曝け出して全力で生きろ!」ということではないかと感じます。

当ブログおすすめの一冊

ブログ『大人の読書感想文』管理人が、SNSを通じて知り合った作家さんの本です。

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