『新しい靴を買わなくちゃ』(北川悦吏子)の概要
写真家のセンは「連絡のとれない恋人と決着をつけたい」と言う妹のスズメに無理やり連れてこられたフランスで、1人の日本人女性と出会う。
帰国するまでの三日間で起こるセンとスズメそれぞれの恋愛模様を描いている。
|
『新しい靴を買わなくちゃ』(北川悦吏子)の注目の街・場所
『新しい靴を買わなくちゃ』(北川悦吏子)の中ではフランスの街並みが思い浮かぶように活き活きと描かれています。
シャンゼリゼ通りをはじめとした街並みで、センと恋に落ちるアオイが書いているフリーペーパーで取材したパン屋さんや人気の観光スポットなど、事細かに描かれているところがより臨場感を高めてくれます。
特にパン屋さんのくだりは注目の場面で、焼きたてのパンの匂いなどがリアルに描かれており、自分もその場にいるような気分になってしまいます。
また2人が夜に行くバーの賑やかな雰囲気はとてもよく描かれているように感じます。
この作品は全体を通して、情景描写に優れていて物語に入り込みやすくなっています。
『新しい靴を買わなくちゃ』(北川悦吏子)の注目の場面
アオイの部屋でセンが過ごす場面。
泥酔してしまったアオイを虚ろな状態で告げられた住所を頼りにセンが送っていくのですが、アオイに「ここにいなよ」と言われて留まってしまいます。
しかし、知り合ったとはいえ女性の家で女性の隣で寝るのは億劫だからといって、バスタブでセンは寝ます。
センがいないことに気づいたアオイがセンを抱き寄せて一緒に床で寝るシーンが、大人の恋愛を見ているようでドキッとしました。
こんな余裕のある大人の女性になれるのか・・・、と思ってしまいました。
『新しい靴を買わなくちゃ』(北川悦吏子)の得たもの
何にしても”思い立ったが吉日”ということわざの通り、思ったら行動にする勇気が必要と思いました。
スズメの決着も「このままズルズルと付き合っているのはよくないからどっちかにしてほしい」という思いが基にあります。
センとアオイもお互いが偶然にしても近づきたいという思いから、共に食事をしたり部屋に泊まる等の行動になっています。
結果が悲しいものでも、センもスズメも行動したことには後悔していない様子なので、決断して行動する勇気が大切だと感じました。
『新しい靴を買わなくちゃ』(北川悦吏子)はこんな時におすすめの本
カフェでまったりとコーヒーとケーキを楽しみながらのんびり読んでもらいたい1冊です。
ゆったりと午後を過ごしたいみたいな時にはうってつけの作品だと思います。
ちょっと恋愛に疲れた時にも、いいかも知れません。
映画版もおすすめです。
『新しい靴を買わなくちゃ』(北川悦吏子)と一緒に読みたい作品
北川悦吏子の小説で似たようなものだと、『天国への郵便配達人』のおすすめです。
こちらもカフェでまったり系のふわっとした作品。
幽霊として現れたジェジュンが憎しみだけで生きていたハナの目の前に現れるところから始まります。
北川悦吏子作品独特のゆるっとふわっとした感じがのんびりしたい時にうってつけです。
物語自体に大きな緩急がないからこそ、のんびり読むのにちょうどいいのだと思います。
『新しい靴を買わなくちゃ』を読んだ方にはぜひ手に取って欲しい1冊です。
ブログ『大人の読書感想文』管理人が、SNSを通じて知り合った作家さんの本です。
従順のすすめ 開かれた未来へ通じる至極の10の思想【電子書籍】[ 清水 竜志 ]
|
・タイトル:『従順のすすめ』
・著者:清水竜志
・内容:現代思想についての本です。
「好きとは何か」
「学業学歴とは何か」
「お金とは何か」
「ストレスとは何か」
「宗教とは何か」
「個性とは何か」
「若者の品格とは何か」
「競争とは何か」
「死とは何か」
「人間とは何か」
といった、現代社会の漠然とした疑問を新しい理屈の真理で解明する、という新しい取り組みをした充実の内容です。
是非、一冊お手に取り著者である思想家の清水竜志さんを応援して下さい。
清水竜志さんのTwitter:https://twitter.com/messages/media/1116542864228413445