『記憶屋』(織守きょうや) ― おすすめの本

『記憶屋』(織守きょうや)の概要

都市伝説なんかただの都市伝説だ。

そう思っていた遼一だったが、ある日突然、大切な人が遼一との記憶までを忘れてしまう。

嫌な記憶、忘れたい記憶は誰にでもあるがその記憶を消すことは正しいことか、悪いことか。

遼一は他にも不自然に記憶をなくした人がいることを知り、記憶屋の正体を追っていく。

何とも言えない形で解明されていくミステリー。

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『記憶屋』(織守きょうや)の好きな登場人物

記憶屋は、この小説の中で最も寂しくて孤独な人物です。

なぜなら記憶を消すことができても、その記憶を持っているのは記憶屋本人だけだからです。

もしあなたの身近な人が苦しんでいてその記憶を消すことができたなら、あなたが何かに失敗してそれをなかったことにできたなら、きっと記憶を消すのではないでしょうか。

その失われた事実を知っているのが自分だけだったら、誰にも相談できずにひとりで抱えてしまうのでしょう。

この本の切なさは、正に記憶屋でできているのです。

『記憶屋』(織守きょうや)の好きな場面

記憶屋の正体が誰か分かる場面で、真希の「一度だけでいいから…」「あたしのこと、好きになって」の部分がとても好きです。

謎が解明されていくのですが、なんとも切ない気持ちになってしまうこの場面は思わず涙なしには読めません。

ふたりは幼馴染という関係で遼一は真希を妹のようにしか見ていません。

一方で真希は、遼一に片思いし積極的にアプローチするのですが上手くいきません。

ここでは、真希が今まで抱えていた切ない気持ちと孤独に感じていたことが身に染みて伝わる場面になっています。

『記憶屋』(織守きょうや)で得たもの

もしも記憶屋のように、人の記憶を食べることができるなら自分も困っている人を助けようとしたかも知れません。

そうするのは自分が忘れたい記憶があったら消してほしいと願うから、つらいという感情が分かったかも知れないからだと思います。

『記憶屋』(織守きょうや)を読んでから、自分の忘れたい記憶を忘れて生きていたら、忘れずに生きていたら、どうだったのだろうと想像してしまいます。

嫌な記憶を消すことで幸せに生きることはできたかもしれない、ですが今までの記憶があって成長した自分もありますよね。

果たして、嫌な記憶を消すことは正義なのでしょうか。

『記憶屋』(織守きょうや)はこんな方におすすめ

都市伝説が好きな人、ミステリーが好きな人、切ない物語が好きな人、もちろん恋愛物語好きな人にも読んでみてほしいです。

はじめは、遼一の視点から始まるのですが「記憶屋Ⅱ」からはまた違う登場人物もでてきて視点も変わります。

様々な視点から読んでみたい人にもおすすめです。

『記憶屋』(織守きょうや)のまとめ

この物語は都市伝説をただ解明していくのではなく、そこに切ない事実を絡めてある部分が一番の魅力だと思います。

『記憶屋』(織守きょうや)はⅢまであり、長めな物語ですが続きが気になってしまう終わり方をするので読み続けやすいのではないでしょうか。

ミステリーと切ない物語が大好きな人にはぴったりなのでぜひ読んで欲しい作品です。

最後に、『記憶屋』(織守きょうや)は2020年に映画化もされているので気になった方、興味を持った方、これから読んでみようと思う方も既に読んだ方も、ぜひ映画も見てほしいです。



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