『一外交官の見た明治維新』(アーネスト・サトウ) ― #おすすめの本

『一外交官の見た明治維新』(アーネスト・サトウ)の概要

これは幕末明治維新にイギリス公使館の通訳官として来日した若いイギリス人の回想録です。

アーネスト・サトウは当時19歳で来日してすぐに生麦事件に出会い、そして薩英戦争、四国艦隊下関砲撃事件等を体験、明治維新に登場する志士達に出会いました。

当時の日本の文化や食べ物等も紹介され、正に歴史好きにはたまらない内容です。

一外交官の見た明治維新 上

一外交官の見た明治維新 下


『一外交官の見た明治維新』(アーネスト・サトウ)の登場人物達

アーネスト・サトウは日本語を勉強し、すぐに習得。

ややこしい幕府や朝廷との関係も把握、志士達に影響を与えるほど優秀でした。

そして幕末の大きな事件をいくつもを体験し、実際に志士達にも会います。

その中には西郷隆盛、伊藤博文、井上馨、小松帯刀、木戸孝允らがいます。

彼らと友人となって色々話し合っています。

またアーネスト・サトウは日本に関する本を読み日本に憧れてに来日し、文明の進んだイギリスから来たのにも関わらず、攘夷だのとすぐ抜刀する武士達も野蛮等と考えず冷静に分析しイギリス人の読者に伝えているのは感心するばかりです。

『一外交官の見た明治維新』(アーネスト・サトウ)の好きな場面

未だに写真が発見されない西郷隆盛に会った時の描写が、黒ダイヤのような眼をして笑うととても良い感じと、アーネスト・サトウは西郷のファンになったようでした。

また四国の大名、4賢侯といわれた伊達宗城を訪問した時には、お酒を飲み過ぎて踊り出してしまう場面も好きです。

阿波藩主の蜂須賀公が私もイギリスへ行ってみたいとコッソリ言ったとか、佐賀藩主の鍋島直正が、「二股膏薬さん」と言われていたとか、15代将軍徳川慶喜の風貌が立派だったとか、読めば読むほど発見があります。

『一外交官の見た明治維新』(アーネスト・サトウ)で得たもの

歴史ファンでも幕末明治維新はとにかくややこしく、尊王攘夷だの佐幕だのと分かれていて、新選組に夢中になったり、長州藩や薩摩藩を中心にみたりすると偏った見方になりがちですが、この本を読むと客観的に幕末が見れてとても良いことだと思います。

尊王攘夷は天皇を敬うもくてきではなく、幕府を倒した後に天皇の権威を利用して新しい政府を作っただけということがよくわかります。

また外交官の仕事が赴任した国の情報を調べて内情を把握することだと知ったのもこの本のおかげです。

『一外交官の見た明治維新』(アーネスト・サトウ)はこんな方におすすめ

歴史ファンには絶対におすすめです。

勤王佐幕にこだわらず、明治維新が革命だったとわかります。

また翻訳ということとイギリス人読者向けに解説してあることが、いまや現代の日本人にもわかりやすく初心者にも入りやすいので、より明治維新について理解するためにはおすすめです。

『一外交官の見た明治維新』(アーネスト・サトウ)のまとめ

『一外交官の見た明治維新』(アーネスト・サトウ)は太平洋戦争前は発禁本ということもあり、明治維新に関わった人達に対しても遠慮なく描写(明治天皇に関しても・・・)しています。

それに東海道を旅してどんなお食事をしたかとか、暴漢に襲われて危うく逃れた冒険談もあり、下手な小説よりずっと面白いです。

アーネスト・サトウはとても若くてすぐに日本語を会得したくらい優秀な人であることを感じ、また有名な事件の数々や明治維新を体験した気持ちになること請け合いです。



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