『虚構推理』(城平京) ― #おすすめの本

『虚構推理』(城平京)の概要

この世の科学ではまだ証明できない存在。

それらを人は妖怪、あやかし、魔物等と言う。

そういったものが見え、人間とそういったものとの仲介に立つ<岩永琴子>は11才の時に右眼と左足の代わりに知恵の神になり、そういったもの達との争いや人との間に生じた問題を解決していた。

そんなある日通院していた病院にいた<桜川九郎>に出会い、一目惚れ。

ただ彼にも誰にも言えない秘密があった。

また事故死したアイドルが幽霊となって人間界を脅かし、ついには殺人事件まで発展。

2人はどう解決していくのか。

[新品/あす楽]虚構推理 (1-18巻 最新刊) 全巻セット

『虚構推理』(城平京)の登場人物達

岩永琴子

彼女の見た目は身長150センチもいかない小柄で猫のステッキをもちお嬢様のような見た目と口調。

時々昔の言葉を口にし、いつの時代に生まれたかわからない雰囲気を醸し出す17才。

11才ながらも突如知恵の神になることを受け入れるという度胸と論理的に物事を推察する洞察力を持ち、臆することなく事件解決のために立ち向かっていくという見た目からは想像できない行動をする。

たまにむちゃし過ぎることもある。

桜川九郎

子供の時に不死の体を得て、また死ぬ時に未来を決定する能力を得る。

現職警察官の元カノと付き合っていた時はヤギのような見た目で、何でも言うこと聞いてくれる人ではあったが岩永琴子と付き合うようになってからは彼女をあしらうような態度をとったり、付き合っているのかとも思えない態度をするが、彼女に対して信頼を寄せている。

『虚構推理』(城平京)の好きな場面

事故死したアイドルが鋼人七瀬という幽霊になって人間を襲うようになり、ついには殺人までしてしまうが実際はこの鋼人七瀬という幽霊は人々の想像で作られた幽霊でした。

その想像上の怪物を倒すため力の源である「鋼人七瀬まとめサイト」で作り上げられた鋼人七瀬という存在を違う存在に作り替えるという嘘に嘘を重ねて真実にし、怪物を倒すという場面が好きです。

何といってもまず人間が作り出した怪物も実際には存在していないが人は面白いこと、興味がそそること、怖いがそうあってほしいといったようなことを好むのが興味深く思いました。

それにより人間の想像した通りの嘘の怪物を実際はそんな怪物はいなかったという真実に結びつけるまでの岩永の論理的思考と、そこまでに誘導するまでの伏線的な言葉がとてもスピーディーに感じられて、緊張感と共に実際に読者もサイトの中の議論を見ているかのような臨場感が味わえると思います。

『虚構推理』(城平京)で得たもの

口避け女やかまいたち等の怪物も実際本当なのかはわかりませんが、今回の話のように怪物、あやかし、妖怪といったものに関わらず、人間が作った情報を私達はそれを信じこの世界を生きています。

それが嘘であってもそれが真実かのように伝えられることもあるし、嘘だとしてもそうあってほしいという人間の欲が真実に変えることもあることをこの本を通じ学びました。

全てのことをうのみにするのはいけないかとは思いますが、自分自身調べもせず聞いたことを真実であると思い込んでしまう・・・

今後もネットやテレビを通してたくさんの情報が飛び込んで来るがそれを判断できるようにしていきたいと思う。

『虚構推理』(城平京)はこんな方におすすめ

推理小説が好きな人はもちろん妖怪や幽霊、怪物といった眼に見えない非科学的な存在を信じる人や興味ある人。

興味なくてもそういった存在を否定する人も見ていただければと思います。

これにより情報とはどういったものか、真実とはなにかというものを考えさせてくれます。

『虚構推理』(城平京)のまとめ

題名からして虚構推理という風にすでに題名で本の内容がわかってしまいますが、ただそれだけでなくそこに至るまでのストーリーと虚構推理している時の臨場感、また登場人物の心、考え方が怪物、あやかし、妖怪といった眼に見えないものを通して変わっていきます。

あり得ないものを見た時、自分達の想像を越えたものに出会った時、また自分達の想像によって作り上げられた真実がどうなっていくのかを全てそういったものを通して教えてくれるような気がします。

比喩的な感じでこの世界を見る良いきっかけになるかと思います。

当ブログおすすめの一冊

ブログ『大人の読書感想文』管理人が、SNSを通じて知り合った作家さんの本です。

従順のすすめ 開かれた未来へ通じる至極の10の思想【電子書籍】[ 清水 竜志 ]


・タイトル:『従順のすすめ』

・著者:清水竜志

・内容:現代思想についての本です。

「好きとは何か」
「学業学歴とは何か」
「お金とは何か」
「ストレスとは何か」
「宗教とは何か」
「個性とは何か」
「若者の品格とは何か」
「競争とは何か」
「死とは何か」
「人間とは何か」

といった、現代社会の漠然とした疑問を新しい理屈の真理で解明する、という新しい取り組みをした充実の内容です。

是非、一冊お手に取り著者である思想家の清水竜志さんを応援して下さい。

清水竜志さんのTwitter:https://twitter.com/messages/media/1116542864228413445