『活版印刷三日月堂 星たちの栞』(ほしおさなえ)の概要
川越の街に活版印刷所である三日月堂がありました。
活版印刷が主流だったころは活気のある印刷所でしたが、営んでいた夫婦が亡くなり、時代は流れお店は閉まってしまいます。
そこに夫婦の孫である弓子が父親の死を機にその店に住むことになり、営業を再開させます。
活版印刷を通して色んな人達の悩みを解決していきます。
『活版印刷三日月堂 星たちの栞』(ほしおさなえ)の好きな登場人物
好きな登場人物は主人公の弓子です。
文章から、控えめでありながらも芯が強く、ぶれない女性だということが伝わってきます。活版印刷のことをとても大切に思っていて、その思いがひしひしと伝わってきます。
そしてやってきたお客さんに対しても真摯に向き合い、心を解きほぐしていく様子にもほっこりさせられます。
物語の舞台となるのは川越の街です。古き良き街でありながらも新しい発展も遂げている川越の情景が目に浮かんできます。
『活版印刷三日月堂 星たちの栞』(ほしおさなえ)の好きな場面
好きな場面は弓子がお客さんの依頼に真摯に向き合っていく場面です。
様々な悩みを抱えたお客さんが登場するのですが、弓子はどのお客さんに対しても共感を示し、そんな弓子に対してお客達はいつの間にか心を開き、自分の境遇を語り出しています。
弓子は活版印刷をする商品や、文字、紙など、さりげなく提案していくのですが、そのどれもが依頼にぴったりで、その商品を手に取ってみたい、見てみたいという気持ちにさせられます。
『活版印刷三日月堂 星たちの栞』(ほしおさなえ)で得たもの
まず活版印刷についての知識がつきました。
活版印刷が何なのか知らない方も多いと思うので、活版印刷の方法や歴史などしっかりと学ぶことができます。
丁寧に説明されているので、ほしおさなえ氏がかなり勉強されていることが伝わってきました。
そして活版印刷の文字を一眼でいいので実際に見てみたいと思わずにはいられなくなります。
また文字は色々な人の想いや歴史が刻むものだということを改めて感じさせられます。
普段発する言葉からまずは大切にしていこうと思わせてくれる作品です。
『活版印刷三日月堂 星たちの栞』(ほしおさなえ)はこんな方におすすめ
人間関係が上手くいかなかったり、仕事で失敗したりと何か躓いてしまった時に読んでほしい作品です。
文章や登場人物から優しさが溢れているので、読んでいると落ち着いた気持ちになれますし、前を向いていこうと元気がもらえます。
『活版印刷三日月堂 星たちの栞』(ほしおさなえ)のまとめ
活版印刷について知っている方も知らない方も是非読んでほしい作品です。
活版印刷の世界を知ることができますし、文字の尊さ、言葉の大切さを改めて感じることができます。
主人公の弓子の優しさが物語全体に溢れていて、訪ねてくるお客さんと同様に読んでいると心が解きほぐれてきます。
一つ一つのストーリーに繋がりがあるのも素敵で、三日月堂が川越の街全体を一つにしてくれているような気がします。
活版印刷についてだけでなく、自分にとって大切なものについても改めて考えさせてくれます。
活版印刷三日月堂 星たちの栞 (特装版 活版印刷三日月堂 1) [ ほしお さなえ ]
|