『古代ローマ人の24時間よみがえる帝都ローマの民衆生活』(アルベルト・アンジェラ)の概要
今から2000年前の古代ローマ時代にタイムスリップした形で、当時のローマ市の日常生活をリポートしていく。
日常生活は食事や住宅といった一般的なものだけではなく、有名な古代ローマの大浴場や奴隷売買、借金といった社会の闇まで切り込んでいく。
古代ローマ人の24時間 よみがえる帝都ローマの民衆生活 (河出文庫) [ アルベルト・アンジェラ ] 感想(2件) |
『古代ローマ人の24時間よみがえる帝都ローマの民衆生活』(アルベルト・アンジェラ)の好きな場所
好きな場所としては、貴族の邸宅が挙げられます。
クーラーも当然ない為、噴水や日光、自然風の取り入れを緻密に計算した間取りは非常に考えさせれますし、意外と古代も快適な暮らしをしていたのではないかと思わされます。
一方、当時は食事作りが高貴なことではなかったことから、キッチンは貴族も庶民も変わらず同様のボロボロ状態で大変苦労をして調理をしていたではないかと思われます。
また、食事を作る奴隷はそこが寝床だったのが貴族との対比をよく表しています。
『古代ローマ人の24時間よみがえる帝都ローマの民衆生活』(アルベルト・アンジェラ)の好きな場面
好きな場面としては、インスラ(庶民のアパート)での暮らしぶりを描いているところです。
ここでの暮らしは現代と異なり、下の階になるほど高価な家賃となっており、上の階に行けば行くほど、低身分の住民が摩訶不思議な生活を送っています。
当時ポンプがない為、水も桶で上の階まで運んだり、トイレもなかなか適切に行うことができなかったり、その為にそれを補う業者が多々いるのが興味深く、仕事というものは暮らす人間の必要性に応じて生まれるのだと改めて感じられます。
『古代ローマ人の24時間よみがえる帝都ローマの民衆生活』(アルベルト・アンジェラ)で得たもの
現代と古代の生活では共通している部分も意外と多くあり、驚かされます。
しかし、電気・ガスといったものはもちろんない為、それを代行しているのが奴隷というのが現代と古代の大きな違いと言えるでしょう。
ある意味では災害が起こった際にどこまで人力で恵まれた生活を維持できるかといった目安にもこの本はなると思います。
現代の文明のありがたみを非常に感じると思います。
もし古代にいたら、当時の文明の根底を担う歯車(奴隷)として生きていたのかも知れないのですから。
また逆に現代社会において、通常のサラリーマン・主婦・パートタイマー・アルバイト等は古代ローマにおける奴隷なのではないかという考えが頭をよぎります・・・
『古代ローマ人の24時間よみがえる帝都ローマの民衆生活』(アルベルト・アンジェラ)はこんな方におすすめ
歴史を習う中高校生に読んでほしい。
教科書で習う歴史は政治的事項と数多の英雄が行った戦争、いくつかの天才達の芸術しか取り上げられず、こういった庶民の生活は学校では教えてくれません。
しかし、真の意味で歴史を知る為に庶民文化史に興味を抱いてほしいと思います。
『古代ローマ人の24時間よみがえる帝都ローマの民衆生活』(アルベルト・アンジェラ)のまとめ
本書は比較的長い文体の歴史本ではあるが、内容的には平易で、専門知識もいらず、好きなページから読んでいけるところが従来の生活史の本を一線を画していると思います。
是非若い学生さんに読んで頂いて、今との生活の違いと共通点、日本との違いを知ってもらい現代の生活の「当たり前」を見つめなおしてもらう機会にしてほしいと思います。
歴史を教える教員も無味乾燥な受験に頼った教科書に頼るのではなく、こういった当時の生の息吹を感じることができる本の内容をコラムとして小話としてでも行い、生徒の歴史への興味を喚起してほしいものです。
ブログ『大人の読書感想文』管理人が、SNSを通じて知り合った作家さんの本です。
従順のすすめ 開かれた未来へ通じる至極の10の思想【電子書籍】[ 清水 竜志 ]
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・タイトル:『従順のすすめ』
・著者:清水竜志
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