『波のうえの魔術師』(石田衣良)の概要
フリーターの白戸則道は老人と出会う。
老人、小塚泰造はその昔、伝説の相場師と呼ばれた程の名ディーラーだった。
その小塚老人にみそめられた白戸は相場の事、株の取引の仕方を教わる。
しかしそれには理由があった。
それはバブル時代に無理やり売った相続保険によって多くの人が今も苦しんでいる・・・、それを売った巨大な銀行を潰すというのが目的で、2人は銀行に立ち向かっていく。
感想(24件) |
『波のうえの魔術師』(石田衣良)の好きな登場人物
主人公の白戸則道はフリーターなのですが、小塚老人にみそめられる程の才能で短期間で株の取引を覚えていきます。
それと共に人間としても成長していく姿がとてもカッコよく思います。
もう1人の主人公とも言える伝説の相場師・小塚泰造です。
白戸への株取引の教え方や、誰かに対する凛とした姿など、老人とはいえカッコよさがあります。
巨大な銀行へ立ち向かう壮大な作戦の名前が「秋のディール」というとてもオシャレなもので、紳士的なものも感じます。
『波のうえの魔術師』(石田衣良)の好きな場面
好きな場面は、巨大な銀行を潰す作戦を進めていくところです。
2人のみで戦うので、若干法に触れる事にもなるのですが、他の誰かを不幸にしたりすることはなく、信頼出来る人間や取引先の人達の協力によって見事に作戦を進めていきます。
株価を見定めて、取引を絶妙のタイミングで仕掛けるのは爽快感すらありました。
倒すべき銀行に勤めている人達にも、やり方が間違っていると思う人がいます。
その人とも主人公は交流をもって、銀行内の実情や内部情報を引き出しつつ作戦に対応していきます。
『波のうえの魔術師』(石田衣良)で得たもの
この作品を読んでから経済に興味を持つようになりました。
新聞の上場企業の記事に目が行ったり、日経平均株価のことも株式取引のことも全くの無知だったのですが、この作品を読んでからというもの目がいくようになりました。
遂には株の取引を始めることとなりました。
もちろん作品のように巨額で上手く取引ではありませんが、失敗も重ねつつ今でも取り組んでします。
何より、社会や経済がどういうふうにお金を回してるのか理解が出来るようになりました。
『波のうえの魔術師』(石田衣良)はこんな方におすすめ
実際に証券会社で読まれている所もあると聞いたことがあります。
仕事で株取引に関わっている人と、全く興味がない人でも、巨大な銀行を2人で打ち破るシンプルなストーリーで、テレビドラマにもなっています。
株や経済に興味がない方でも楽しく読み進めることが出来るのでおすすめです。
『波のうえの魔術師』(石田衣良)のまとめ
この作品は小説というものを読み始めた初期に出会った作品で、この作家の石田衣良氏の本はほとんど読みました。
中でもこの『波のうえの魔術師』は印象的なストーリーで、読む前は株式取引なんてなんだか難しそうな話で途中で飽きてしまうかも?、と思っていましたが、読み始めると一気に最後まで読んでしまいました。
それに、自分自身が株取引に興味を持ち実際に取引をしてみるまでになりました。
日本人でいると株や経済、お金に関して怖い、汚い等と悪いイメージが先行してしまいがちですが、実際に自分達が住む経済社会を知るきっかけにもなり得る作品と思います。
ブログ『大人の読書感想文』管理人が、SNSを通じて知り合った作家さんの本です。
・タイトル:『従順のすすめ』
・著者:清水竜志
・内容:現代思想についての本です。
「好きとは何か」
「学業学歴とは何か」
「お金とは何か」
「ストレスとは何か」
「宗教とは何か」
「個性とは何か」
「若者の品格とは何か」
「競争とは何か」
「死とは何か」
「人間とは何か」
といった、現代社会の漠然とした疑問を新しい理屈の真理で解明する、という新しい取り組みをした充実の内容です。
是非、一冊お手に取り著者である思想家の清水竜志さんを応援して下さい。
清水竜志さんのTwitter:https://twitter.com/messages/media/1116542864228413445