『コルトM1851残月』(月村了衛)の概要
江戸時代、主人公「残月の郎次」がもつパーカッション式リボルバー「コルトM1851ネイビー」で敵対する組織・人物を暗殺する物語。
「コルトM1851ネイビー」の存在は、「残月の郎次」だけが知っている。
同じ組織の仲間にも秘密にしてあり、当時の時代で6連発の銃を持つのは郎次だけ。
その中で、ある事件が起こり…
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『コルトM1851残月』(月村了衛)の注目の登場人物
やはり「残月の郎次」が一番格好良く、影もあり、スパイ小説などが好きな方は気になる存在になると思います。
「残月の郎次」がもつパーカッション式リボルバー「コルトM1851ネイビー」を郎次に渡した「灰」という謎の人物は、いっそう物語に影を落とします。
街は、江戸。
昼間は、廻船問屋の郎次。
夜は、必殺の武器を持つ暗殺者。
郎次の組織は、表向きは廻船問屋ですが、裏は…
その組織に裏切られ、郎次は対抗するのか、それとも…
『コルトM1851残月』(月村了衛)の注目の場面
パーカッション式リボルバー「コルトM1851ネイビー」を郎次に渡す「灰」とのエピソードは、誰でも印象に残る場面だと思います。
「灰」は、どこの誰か実名も分からない謎の人物。
短いエピソードですが、「コルトM1851ネイビー」を渡される場面は、不思議な印象を残します。
なぜその銃を郎次に渡すのか、また、なぜあんな事を郎次にさせるのか、読者の解釈に任されます。
ぜひ注目して読んでほしい場面です。
『コルトM1851残月』(月村了衛)から得たもの
作者月村了衛の技術に驚きました。
完全に時代小説のノワールで、ノワールの旗手「馳星周」も解説している通り「ノワール」と認めています。
今までノワール小説を読んだことがある方には、新しいノワール小説を読んでいる感覚になるでしょう。
※ノワールとは
アメリカで生まれた、ジェイムズ・エルロイが書いた小説が始まりになっています。
暗黒小説とも呼ばれる分野で、犯罪などを主なテーマとして書かれている小説のことです。
日本では主に、馳星周、新堂冬樹、楡周平等がノワール小説を書いています。
『コルトM1851残月』(月村了衛)はこんな方におすすめ
やはりノワールを今まで読んでいた方に特におすすめです。
新しいノワール小説を感じるでしょう。
新しい分野を開けると思います。
他にも、冒険小説、スパイ小説を好んで読んでいる方にもおすすめ出来る小説です。
『コルトM1851残月』(月村了衛)のまとめ
月村了衛作品の中でも最高の小説ではないかと思います。
読後は、放心してしまうほどの面白さで、月村了衛氏の技術に脱帽することでしょう。
月村了衛氏は、他にも代表作『機龍警察』シリーズを書いています。
こちらもかなりおすすめで、とても面白く読めます。
『機龍警察』シリーズは、『コルトM1851残月』とはまったく別のSF小説で、龍機兵と呼ばれるマシンを使い犯罪・テロに対抗する物語です。
SF小説と言えどSF感はあまりなく、SF小説に抵抗がある方でもぜひ手に取って読んでほしい作品になっています。
機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA) [ 月村 了衛 ]
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