『星を継ぐもの』(ジェイムズ・P・ホーガン) ― おすすめの本

『星を継ぐもの』(ジェイムズ・P・ホーガン)の作者について

作者のジェイムズ・フィリップ・ホーガンは、1941年イギリス生まれのSF作家。

設計技術者などの職を経て、デビュー作『星を継ぐもの』を公表後、専業作家となりました。

他にも、後日談的な中身の『内なる宇宙』、日本では未訳となっている『MissontoMinerva』とシリーズが続き、これらは総称して「巨人たちの星」シリーズとして知られています。

本シリーズは、続編のうち『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』までが3部作となっており、ストーリーは一旦そこで1つの結末を迎えます。

ジェイムズ・P・ホーガンは日本において、『星を継ぐもの』を含め星雲賞を3回受賞。

享年は69歳でした。

著作は創元SF文庫にて出版されており、2015年までに累計45万部を売り上げ、創元社最大限のヒット作となっています。

「ハードSFの巨匠」と言われるほどの好評を誇示しますが、2010年、心不全により死去しています。

『星を継ぐもの』(ジェイムズ・P・ホーガン)の注目の概要

リサーチの結果は新たな謎を呼び、各種専門方面から人員が派遣され、数々の仮説・検証が続けられていくことになる。

ルナリアンは、火星と木星の間にかつて影響した惑星ミネルヴァの住人だった。

いくつもの仮説が立てられは棄却されていくなかで、浮かび上がる事実。

ミッシングリンク、月の起源、俗にも知られる多くの謎にSF的解釈を加え、張り巡らされた伏線がミステリー要素も交えて展開されていく、推理ゲームのようなストーリー。

そのようななか月面にて、真紅の宇宙服を着た人物の遺体が発見される。

月で発見されたその人類は「ルナリアン」と呼ばれる事になりますが、それは一体何者なのか……。

加えて、そこから遠く離れた地球の衛生、月にいたルナリアンのチャーリー……。

直近での科学技術では再現無理な装備、解読不可能な文字らしきものが並ぶ手記……。

2028年、星間飛行の技術が発達し、木星まで半年で到達可能なようになった地球。

行方不明になっている国連の月面基地スタッフは1人としておらず・・・。

彼は一体、誰なのか?

謎を解明するために行われた綿密なチェックの結果、仮として「チャーリー」と呼ばれることになったその人物は、驚いたことに5万年前に死亡していたという事実が判明するのだった。

星を継ぐもの (創元SF文庫)

『星を継ぐもの』(ジェイムズ・P・ホーガン)の注目の登場人物
彼らは惑星ミネルヴァ(火星と木星の間に影響したとされる架空の星)で現れて・進歩した、ミネルヴァ固有の知的生命体です。

月で発見されたチャーリーは、「ルナリアン」と呼ばれます。

「巨人」とは、このシリーズに登場する異星人「ガニメアン」を指して使われます。

2万5千年前に、惑星ミネルヴァからいなくなってしまったと推測されています。

身長3メートル近くと大柄で、外見も地球人類とは乖離しており、その事から「巨人」と称されています。

「巨人」と言われるコリエルは「ガニメアン」?

それともチャーリー同じく「ルナリアン」なのでしょうか?。

チャーリーは5万年前に死亡している事から、コリエルも同じ年代に生きていたと思われますが……。

『星を継ぐもの』冒頭に登場する「巨人コリエル」、そして3部作において1番一番目の謎となる「チャーリー」の影響。

そして巨人コリエルですが、彼は月面上で発見された正体不明の人物チャーリーが所持していた手記に登場する人物です。

『星を継ぐもの』(ジェイムズ・P・ホーガン)の注目の部分

彼らの、もう1つの正体とは……?

『星を継ぐもの』(ジェイムズ・P・ホーガン)の最大の注目部分です。

このプロローグが一体どのような場面だったのか、それはチャーリー調査チームの言語学班が「チャーリーの手記」を解読する事で明らかになります。

チャーリーらルナリアン、他にもコリエルですが、『星を継ぐもの』最終盤にハントやダンチェッカーらの推理で、驚くべき事実が明かされます。

ルナリアンとは、何者だったのか?それは、木星の衛生ガニメデで墜落した異星人の宇宙船が発見されたことで、意外な方向性から解明されていくのです……。

しかし、コリエルが巨人(ガニメアン)だったか如何にかは、まだ明確しません。

『星を継ぐもの』(ジェイムズ・P・ホーガン)のおすすめポイント

「巨人たち星」シリーズの続編『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』の中身までカバーしながら原作をスピーディに整理つつ、独自の展開も盛り込み進むストーリーはテンポよく、読みごたえもあります。

『宗像教授伝奇考』などで知られる漫画家・星野之宣(ほしのゆきのぶ)による、新たな切り口で描かれた漫画版は全4巻。

原作とはわずかに違った趣ですが、原作の難解なSFのところに苦手意識を感じてしまう、という方には導入としても最適です。

加えて小説版読者の方にも、原作にはない展開があり新鮮な驚きが感じられるのではないでしょうか。

『星を継ぐもの』は、漫画版で読むのも推奨です。

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『星を継ぐもの』(ジェイムズ・P・ホーガン)のまとめ

「事実」とされている事柄に「虚構」である物語上の説明が付けられていくのですが、科学者や生物学者ら各方面のスペシャリストが語る推測や紹介は、思わず「本当の事なのでは……」と考えさせられてしまうでしょう。

多少なりともお馴染みの会話が出てきたら、関心をもって読み進められるかもしれません。

ミッシング・リンクの影響、月の起源と月半球不整合、火星と木星の間に影響する小惑星群ーーそれらの謎に加えられていく、物語独自の解釈。

推理小説のように、現在まで出てきた事柄を見て

「これはどういったことだろう?」

「もしかしてこういった繋がり方をするのでは?」

とワクワクしながらストーリーを追う事が出来るのです。

『星を継ぐもの』を読んでから、自身の記憶知識のどこまでが現実の知識で、どこからが本作の創作のところなのか自信が無くなってしまうかもしれません。

それをあらためて調査してみるのも楽しく、様々な意味合いで多面的に遊べる要素が盛り込まれています。