『地底旅行』(ジュール・ヴェルヌ) ― #おすすめの本

『地底旅行』(ジュール・ヴェルヌ)の概要

鉱物学の世界的権威リデンブロック教授は、十六世紀のアイルランドの錬金術師が書き残した謎の古文書(ヘイムス・クリングラ)の解読に成功する。

その中身は「アイスランドにあるスネッフェルスという山から地球の内側に入れる」というもので、教授はアクセル(教授の甥)とハンス(アイルランドの猟師)の3人でスネッフェルスの噴火口から地球の内側に入る。

最初は一般的な洞窟のようだったが、1ヶ月半進み続けると巨大な空洞にたどり着いた。

そこには海があり教授らはいかだを作り渡ることにした。

その途中で2匹の怪物(魚竜と亀の甲羅をかっぶている蛇)に襲われるなどしながら、船旅を続ける。

地底旅行 (岩波文庫) [ ジュール・ヴェルヌ ]

感想(5件)


『地底旅行』(ジュール・ヴェルヌ)の魅力的なシチュエーション

教授達が入った噴火口の内部に魅力を感じハラハラの冒険が始まります。

はじめは一般的な洞窟であったのに、進むにつれて巨大な空洞だったり、海があったり怪物が出てきたりと、冒険小説の魅力が満載です。

しばらく船旅を続けると海の反対側に着きます。

海辺(?)を歩いていると短剣を見つけます。

教授は「ここに来た人間がいるんだ」と言います。

他にも周囲の壁を見てみるとくぼみがあり、そこには不思議な文字(A・N)が刻まれいて奥に続いていました・・・

進むにつれてどんどん洞窟内部の不思議に心が高鳴ります。

『地底旅行』(ジュール・ヴェルヌ)の好きな場面

好きな場面は不思議な文字(A・N)が刻まれいていたくぼみに入っていく場面です。

進んで行くと岩があり進めませんでした。

教授らは爆薬で砕こうとします。

しかし、爆風で飛ばされて自分達の居場所が分からなくなってしまいます。

食料は一回分だけしかなく教授らは絶望してしまいます。

けれども、その時教授は「噴火の兆候の硫黄の臭いがする」と言います。

しばらくするとマグマが上がってきてマグマと共に地上に放り出されました。

そして放り出された場所はストロンボリという地中海の島でした。

そこから教授らは船でマルセーユに上陸します。

そうして世界中人々から歓迎され、教授は偉人にされてしまいました。

奇想天外ですが痛快で面白い場面です。

『地底旅行』(ジュール・ヴェルヌ)の魅力

古典SFとして世代を超えて魅力的な冒険物語で長年支持されている作品です。

この物語は主人公のアクセルの視点で進みます。

地球の内部に入ることに成功したアクセル達は洞窟や縦穴を進み続け、心もとなさを感じつつ引き返したいアクセルと、好奇心と探究心の塊のリーデンブロック教授、冷静で屈強な猟師であるハンスの3人が協力しながらいつ終わるともしれない暗闇の広がりを突き進んでいきます。

現実離れした地底世界、地底の海、怪物等・・・

さらにはオーロラのような電気現象や、雲までもありまるで地上のような空間・・・

わかりやすく、現在に読むと笑ってしまうような描写も逆に痛快に感じてしまいます。

『地底旅行』(ジュール・ヴェルヌ)はこんな方におすすめ

この作品は古典的なSF作品の名著としてとても有名です。

SFが好きということであれば、おすすめの作品です。

とても読みやすい作品となっていることから多くの人に親しまれています。

”SF小説の入門書”と言っていい最適な作品ですので、まずはこの『地底旅行』から読み始めることをおすすめします。

『地底旅行』(ジュール・ヴェルヌ)のまとめ

「アクセル達は地球の中心までたどり着けることが可能なのか、さらには地球の中心には何があるのか。」

物語の展開が楽しく次々と想像を超える出来事が起きるので、読んでいてウキウキ感が止まりません。

長年の間SFのコンテンツとして支持されてきた中身でとにもかくにも楽しい作品です。

漫画版もありそちらもおすすめです。

漫画の絵柄は骨太で大いに硬派で迫力があり、緻密に描きこまれた描写はまさしく『地底探険』という古典SFの作風に最適です。

地底探検 [冒険ファンタジー名作選(第1期)] (冒険ファンタジー名作選)