『関ヶ原』(司馬遼太郎)の概要
豊臣秀吉亡き後、豊臣家は内部分裂を起こしていきます。
豊臣五大老の一人である徳川家康は、この豊臣家の内部での争いに乗じて急速のその勢力を拡大していきます。
やがて家康の動きを警戒した石田三成達は、家康を討つべく兵を挙げます。
家康もこの動きに対して石田三成を討つべく交通の要衝である関ヶ原に向かいます。
石田三成達も大阪入城を阻止すべく関ヶ原に布陣。
ついにお互いが雌雄を決する事になります。
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『関ヶ原』(司馬遼太郎)の好きな登場人物
上杉景勝の家老である直江兼続が気に入っています。
上杉景勝が上洛して挨拶しない事を謀反と捉えて家康が会津に使者を送った時、直江兼続が家康に返答した直江状と呼ばれる書状を書いたあの性格に魅力を強く感じます。
事の是非はあくまで天が知っており、家康に義があると主君の景勝に義があるかは自ずから明白であるとしたあの勇ましい性格に極めて魅力を感じます。
五大老である前田家に謀反の疑いをかけ今度は上杉家に謀反の疑いをかけるなどまずは戦いのきっかけをつくり石田三成達を一掃しようとする家康の計略に対して戦いを挑もうとする兼続の姿に感動的です。
『関ヶ原』(司馬遼太郎)の興味を好きな場面
徳川家康が上杉征伐に向かうため西の拠点である伏見城を鳥居元忠に任せ出陣する場面が気に入っています。
鳥居元忠に任された兵は、わずか3000人に満たない少数であり、これに対して石田三成の兵は40000万人を超える大軍勢でした。
家康の留守を狙い石田三成の兵が伏見城に攻撃をかけてくる事は明らかな状況でした。
伏見城への援軍の見込みもない中で全滅覚悟が避けられない中で、家康に対して自分への配慮は無用であり、天下の戦いのため一人でも多く会津に兵を割いてほしいと潔く伝える元忠の態度は感動的な場面です。
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『関ヶ原』(司馬遼太郎)で興味を得られたもの
それぞれの家が自分達の一族や家臣達の生活を考えてどちら側に就くべきかと真剣に議論する姿はとても参考になります。
特に真田家に代表されるように、兄弟がそれぞれ分かれて両陣営に就き、勝者側が敗者側に助命をお願いする姿が当時の大名の共通した姿だと知り、あらゆるケースを考えて行動する事の大事さを知りました。
『関ヶ原』(司馬遼太郎)から人は誰しもあらゆるケースを考えて行動するべきだと気が付かされます。
あらゆる局面を通じて自分のキャリアを磨くべきで、万が一自分に何かあった時の最後の切り札は今まで生きてきて培った”キャリア”です。
”キャリア”の大事さを大名達の生き残り方法から得られます。
『関ヶ原』(司馬遼太郎)はこんな方におすすめ
世代を問わず人生の岐路が来た時に読んでほしい一冊です。
特に歴史に充分興味が持ててない人や時間がたっぷりある現役を引退した世代には一度読んでほしいです。
関ヶ原の戦いは誰しも知る戦いですが、その過程で起きた人間ドラマを知る人は限られると思います。
だからこそより多くの世代に人生で悩んでいる時にこそ生き残りをかけて懸命に行動した大名達の生き残りの様を参考にしてほしいです。
『関ヶ原』(司馬遼太郎)のまとめ
歴史上有名な戦いをここまで詳細に記述した小説はあまり存在しないのではないでしょうか。
司馬遼太郎氏が綿密な資料を収集した中から描かれた小説関ヶ原は当時存在した多くの大名の家風や成り立ち、そして幕末になるまでの紆余曲折まで詳細に言及した優れた小説です。
特に石田三成という人物が有能であり正義感が強いがゆえに秀吉から気に入られた事を快く思わない武将達を、うまく徳川家康が利用する様が克明に描かれていて当時の戦いが武力での戦いと共に多くの駆け引きや心理戦があった事を知る事ができるいい小説です。
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