『ライオンのおやつ』(小川糸) ― #おすすめの本

『ライオンのおやつ』(小川糸)の概要

医師から余命宣告を受けてしまった主人公・海野雫は、死ぬ場所として瀬戸内海が見えるホスピス「ライオンの家」に引越しをします。

そこで雫は、命のありがたさや人との出会い、物事のありがたさについて、改めて知るようになっていくのです。

『ライオンのおやつ』(小川糸)の好きな登場人物

好きな登場人物は、主人公の雫です。

まだ若いのに余命宣告をされてしまい、本当にかわいそうですが、それを受け入れて、生きる喜びを噛み締めている様子にグッときます。

お粥の美味しさだったり、海が見える綺麗な景色だったりを堪能していて、感性が豊かになっていく様子が実に素晴らしいです。

特にレモン畑が出てくる場所は、まるで匂いと輝きが伝わってきそうな表現なので必見です。雫の感性や死ぬ間際の様子など、彼女の全てが伝わってくるような作品になっているので大好きです。

『ライオンのおやつ』(小川糸)の好きな場面

好きな場面は、雫の最後のおやつの場面です。

誰にも家族には知られないで死ぬつもりだったのに、育ての父親が会いに来てくれていた所は涙なくして読めないところです。

本当の親子ではなかったけれど、2人だけの絆がおやつにも反映されていて嬉しかったです。

また、雫と愛犬の六花がベットで一緒に寝る場面も好きす。

最初は六花を腕枕して寝ていた雫が、徐々に何も出来なくなっていく場面は切ないです。

それでも雫にとって1番大切な存在になっていた六花が、愛おしくてたまりません。



『ライオンのおやつ』(小川糸)で得たもの

『ライオンのおやつ』(小川糸)を読んで、当たり前の日常が送れることに感謝をしなければならないなと、改めて思わされます。

それだけで食事1つでも、ありがたみが変わってきます。

食事を美味しいと味わって食べることの幸せ、豊かな自然に囲まれて暮らしている幸せというものを、私達は当たり前に思っていて感謝出来ないでいると感じます。

限りある命だからこそ、今を一生懸命に楽しく生きることに全力を注いでみたいと思うのでしょう。

またそう思えば、どんな困難なことでも乗り越えられそうだとも感じられます。

『ライオンのおやつ』(小川糸)はこんな方におすすめ

生きることに意味を見いだせていないという方に、ぜひ読んでみて欲しいです。

例えば、将来の夢がなくて未来に悲観しているという人も、『ライオンのおやつ』(小川糸)を読めば考えを改めることができるかと思います。

疲れて何もする気がなくなった時にこそ、ちょっと読んでみて欲しい名作です。

『ライオンのおやつ』(小川糸)のまとめ

1人1人、それぞれに人生があるように、ライオンの家に住む住人にはたくさんの物語が詰まっています。

その物語は年齢も職業も様々な人達の話なので、実に面白いです。

そして、読み進めるうちに自分や知人と重ね合わせて読んでしまう人物も出てくるはずです。

人間、誰しもいつかは亡くなる運命なので、限りある命に感謝をしながら読むことをおすすめしたい名作です。

読み出したらあっという間に読めて、時に涙しながらその世界観に存分にハマって欲しいと思います。

ライオンのおやつ